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「クボ、ドウアンがいた3年前と違う」トルシエが斬るパリ五輪サッカー日本代表「本当に素晴らしい」“推しの藤田譲瑠チマ”以外で注目株は？
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byMutsu Kawamori
posted2024/07/24 17:02
パリ五輪直前のU-23フランス戦、日本のスタメン。トルシエはどう見た？
トルシエ：繰り返すが日本はリアクションのチームであり、フランスのような相手に対してはプレーを構築できずに忍耐を強いられる。コンビネーションも発揮できない。完璧なトランジションをおこなうリアクションのチームだ。
だがそれはとても有効な武器で、また守備の強さも見せた。そしてゲームを支配されながらも、どんなときでも迅速なカウンターアタックで得点ができることを証明した。だから興味深い試合ではあったが、日本のコンビネーションや攻撃の構築の限界を示した試合でもあった。トランジションとカウンターアタック以外の部分で、日本の攻撃を見ることはできなかったからだ。
――具体的に言うと？
トルシエ：前半の日本はアグレッシブにフランスを無力化した。だが後半はボール保持率がさらに下がり、相手にゲームを支配されて苦しんだ。しかしまとまりを保ち、ゴールをあげていてもおかしくはなかった。
今の日本は、久保建英と堂安律がいた3年前とは同じチームではない。リアクションのチームで驚きを作り出せるが、監督に選択の余地はない。国内組が中心の若いチームだから、プレーにおいて他のやり方を望めることがない。それが私の印象だ。
細谷の方がカウンター時は…斉藤もスピードを
――しかし大岩監督は試合後に攻撃には進歩の余地があると言いました。それはトランジションとカウンターアタックの頻度を上げるということでしょうか。
トルシエ：その通りだ。その点では日本はとても危険な存在であるからだ。平河悠の前への推進力は素晴らしい。今日もスピードでフランスを危険な状況に陥れた。だから大岩の言葉は正しい。
それはコレクティブな攻撃力ではなく、スピーディなトランジションだ。繰り返すが、日本はリアクションのチームであるからだ。ボールを持たない場面で日本は素晴らしい守備をする。そしてトランジションから素早いカウンターアタックを展開する。それはとても危険な攻撃で、今日のフランス戦ではその威力をまざまざと見せつけた。それが日本の力だ。
――今日は前線のストライカーを2人試しました。前半の藤尾翔太と後半の細谷真大ではどちらが日本のプレーに合っていますか。
