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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「ショウヘイ、7分しか経ってないよ!」アイアトン通訳が大谷翔平にツッコんだ…日本人記者が見た“通訳の気遣い”「あれっ? ショウヘイどこ?」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byAFLO
posted2024/07/20 11:03
オールスター試合前のレッドカーペットに登場した大谷翔平と真美子夫人
「僕の姉(3人いるうちの2人)の夫が、日本でプレーしてるんだよ。1人はコーディ・トーマスで、今オリックスにいる。だから姉も日本に住んでるよ。もう1人はセイブ(西武)でプレーしてたザック・ニール。知ってる?」
他の選手の取材の様子を見ても、意外なまでに彼らの応対はソフトだ。オールスター特有のお祭り雰囲気が生み出す効果かもしれない。大谷も前日の会見でこう言っていた。
「(オールスター出場選手は)みんな思ったより柔らかい雰囲気。球場で見てるより実際に話してみると、そうだなと」
メジャー取材歴が長い日本人記者によれば「選手の着替えなどを観察してタイミングさえ間違えなければ……」とのこと。MLBとメディアが長年かけて構築してきた取材体制なのだろう。
「7分しか経ってないよ!」
試合前、大谷もクラブハウスに姿を見せる。だが着替えを終えると颯爽と裏へ戻っていった。取材が殺到しすぎてしまうため、大谷の場合は試合後の囲み対応、記者会見と決められているようだ。
この2日間、大谷はとにかく神出鬼没であった。
一瞬でも目を離すと見失ってしまう。試合前も「MLB NETWORK」の中継にドジャース同僚のテオスカー・ヘルナンデスらとともにインタビュー対応を終えると、練習には参加せず裏へ引き上げていった。
試合中のベンチでもそうだ。大谷が表に出てきたかと思うと裏に戻る。再び姿を現したかと思うと野球用具を手に戻る……。入れ違いでベンチに出てきた通訳のウィル・アイアトン氏がきょろきょろと辺りを見回し、大谷の不在がわかるやいなや、急いで裏に戻るという光景も見られた。きっとアイアトン氏も、大谷の姿を見失ったからではないかと推測する。
試合前に行われたレッドカーペットでも、大谷は速かった。歩くスピードが、である。実際にレッドカーペットの最終盤に設けられている中継台に登壇するまでの間、アイアトン通訳が大谷にこう話しかけるのが聞こえた。