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「足首がひどく腫れて…」メッシ涙も依存脱却アルゼンチン、“悲惨な弱さ”のブラジル…なぜ「3年前は真逆」南米2強の明暗が反転したか 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byBuda Mendes/Getty Images

posted2024/07/20 11:01

「足首がひどく腫れて…」メッシ涙も依存脱却アルゼンチン、“悲惨な弱さ”のブラジル…なぜ「3年前は真逆」南米2強の明暗が反転したか<Number Web> photograph by Buda Mendes/Getty Images

コパ・アメリカ優勝メダルをかけるメッシ。右足首の負傷で無念の交代となったがチームが奮起して連覇を果たした

 最近はクラブ、代表ともに故障などで欠場することが多く、「2026年W杯でプレーするかどうかは、そのときの自分の体調次第」としている。

 さらに2年間、現在と同等もしくはそれ以上のチーム力を保つのは決して容易ではないはずだ。

なぜブラジルはここ最近、散々な成績なのか

 アルゼンチンと完全に明暗が分かれているのが、近年のブラジルだ。

 この大会では、アルゼンチンと対戦することすらできなかった。GS初戦で、コスタリカとスコアレスドロー。近年、低迷が続くパラグアイには相手守備陣のミスにも助けられて4-1で勝ったが、コロンビアとは辛うじて0-0で引き分けてGS2位。準々決勝でウルグアイと90分間を終えて1-1で、PK戦で散った。

 タレントがいないわけではない。

 攻撃ではビニシウス、ロドリゴ、エンドリッキ(いずれもレアル・マドリー)ら、守備ではマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)、エデール・ミリトン(レアル・マドリー)ら欧州ビッグクラブで主力を務める選手がいる。

 しかし、故障のため長期欠場中のネイマールに代わるエースとして期待を集めるビニシウスが、代表ではクラブと同レベルのプレーができない。この大会ではパラグアイ戦で2得点をあげたものの、無用なイエローカードをもらい、累積警告で準々決勝欠場を余儀なくされた。

 強力なリーダーが不在で、勝負所でチームを背負って戦える選手がいない。

 昨年9月に始まった2026年W杯南米予選で、ブラジルは6節(全18節)を終えて2勝1分3敗で参加10カ国中6位という悲惨な状況にある。

 今年1月に就任したドリヴァル・ジュニオール監督がチームを作り直している真っ最中で、9月に再開する2026年W杯南米予選で勝ち点を積み重ねて順位を上げることが急務となっている。

ハメスがMVP、奇将ビエルサのウルグアイも躍進

 アルゼンチンとブラジル以外にも強豪国が居並ぶ南米だが――各国の状況はどうなっているか。

 決勝でアルゼンチンを苦しめたコロンビアは、MFハメス・ロドリゲス(サンパウロ)が大車輪の活躍。攻撃力は大会随一だった。快足左ウイングのルイス・ディアス(リバプール)ら逸材が目白押しで、国内メディアは「我が国の代表史上、最強のチームが形成されつつある」と意気軒高だ。

 昨年5月から名将マルセロ・ビエルサが率いるウルグアイは、長年の課題だった世代交代に成功。攻守にインテンシティが高いプレーで3位に食い込んだ。

 北中米勢で唯一、ベスト4に食い込んだカナダの健闘も光った。所属先のバイエルンでは日本代表DF伊藤洋輝と左サイドバックを争うことになるアルフォンソ・デイビスら欧州ビッグクラブで活躍したり、パワーとスピードを兼備した選手もいる。

 この大会で南米の強豪と対戦したことは、2年後のアメリカ、メキシコとの3国共同開催のW杯へ向けて大きな糧となったはずだ。

 2022年W杯でアルゼンチンが2002年のブラジル以来、南米勢として20年ぶりに優勝したことで、南米のフットボールは活気づいている。

 ブラジルを唯一の例外として――。

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