令和の野球探訪BACK NUMBER

「今プロに入っても遊撃手で肩は一番」「3位指名以上は確実」の声も…MLBスカウトも集結 “偏差値70”桐朋高・森井翔太郎の各球団リアル評 

text by

高木遊

高木遊Yu Takagi

PROFILE

photograph byYu Takagi

posted2024/07/16 06:01

「今プロに入っても遊撃手で肩は一番」「3位指名以上は確実」の声も…MLBスカウトも集結 “偏差値70”桐朋高・森井翔太郎の各球団リアル評<Number Web> photograph by Yu Takagi

偏差値70の進学校である桐朋高に現れたプロ注選手・森井翔太郎(3年)。大会場に集結したスカウトたちの「リアル評」は…?

「メジャーリーガーになりたいという思いが」

「最終的にはメジャーに挑戦したいという思いが強いからです。小学校3年生くらいから、メジャーリーガーになりたいという思いがありました」

 その中で、中学2年の頃に母から「アメリカの大学へ進学するという手もあるのでは?」と提案されたそうだ。一方で進路を選択する際に大事にしたいことを問われると「野球で超一流になりたいと思っているので、野球が最も上達できる環境を探していきたいです」ときっぱり語った。野球以外のことも十分保険にできる学力はあるが、「アメリカの大学で勉強したいというわけではない」と野球に全精力を注ぐ意向だ。

 原動力となるのは桐朋中・高の野球部で6年間培った向上心と思考力だ。

「強豪校の内情は分からないのでイメージですが、桐朋は自由に練習ができて、自分で考えて自分のスキルを上げていくということに集中させてくれる監督・チームでした。その中で“自分に何が足りないか?”を自分で考えて、潰していくことができました」

 こうした部分も高く評価されており巨人・木佐貫洋スカウトは「試行錯誤していることがプレーからも伝わります。練習試合でも、強振するだけでなく、追い込まれてからの軽打するところも見ていますし、そうした素養がプレーからも伝わりますね」と語る。

 一方で森井は自らの劣っている部分も理解しており「強豪校の選手に比べて自分は練習時間が少ないですし、確実性やフォームの再現性が劣っていると思う。ここから仕切り直しで量にこだわっていきたいです」と明確に課題を挙げた。

 恵まれた体格と身体能力に明快な自己分析能力や向上心。心技体あらゆる面で我々も想像がつかないほどの伸びしろを感じさせる。

「こんなに早く終わるとは正直思っていませんでした」と吐露した一瞬の夏だったが、この1日の動きや応対だけでもその高いポテンシャルは強烈に焼きついた。

関連記事

BACK 1 2 3
#森井翔太郎
#桐朋高校
#木佐貫洋
#潮崎哲也
#佐々木麟太郎
#スタンフォード大学

高校野球の前後の記事

ページトップ