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「今プロに入っても遊撃手で肩は一番」「3位指名以上は確実」の声も…MLBスカウトも集結 “偏差値70”桐朋高・森井翔太郎の各球団リアル評
posted2024/07/16 06:01
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
7月7日の東京・府中市民球場。気温36度の酷暑の中、バックネット裏から一、三塁側にかけてある席はほぼ満員となり、西東京大会1回戦では異例となる立ち見も出るほどだった。何よりも目立ったのはMLB3球団を含むプロ14球団42人ものスカウトだ。
彼らのお目当ては、桐朋高の森井翔太郎だ。桐朋高は東大合格者を毎年10人前後を輩出する偏差値70の進学校であり、森井は異色の存在だ。当然スポーツ推薦制度はない。183センチ、86キロの体格はひときわ目立つ。
阪神スカウト「肩は現役のプロ選手以上」
試合前のシートノックからスカウトたちの視線やビデオカメラが遊撃手の位置に入った森井を向く。長身だが動きは軽やかで、送球はまさに矢のようだ。何せ投手を務める際の最速は153キロ。近年球場のスピードガンでは“上ブレ”で思わぬ球速が計測され、それがその投手の「最速〇〇○キロ」となってしまうこともあるが、森井の最高球速は練習試合でスカウトたちのスピードガンで叩き出された、まがいの無いものだ。
「矢野雅哉が大学時代に“投げたら球速が148キロくらい”と聞きました。でも森井くんは高校生で150キロを超えているわけですからね。足も遅くないし、数をこなしていけば楽しみです」
こう語ったのは阪神・吉野誠スカウト。広島のレギュラーを張る強肩遊撃手よりも“球速”という部分ではすでに抜けているというのは、森井の肩の強さが超高校級であることの証明だ。
肩の強さについて最大限の賛辞を送ったのは、西武・潮崎哲也スカウトディレクターだ。
森井が小学6年時に西武ライオンズジュニアに選出されていたという縁もあってか、この日の西武はなんと11人で視察。その中で潮崎スカウトディレクターは「内野手であれくらいの肩を持った選手はなかなかいませんよ。ウチの松井稼頭央のような強さ。今、プロに入っても一番強いんじゃないでしょうか」と、森井の肩の比較対象に球界トップ選手を置いた。そして吉野スカウト同様、「グラブ捌き含め何かにつけてセンスが良い。スイングスピードや体幹の強さもあって鍛えがいのある選手ですね」と見込んだ。