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「2秒で決めました」伊藤洋輝が“バイエルン入団会見で語らなかった”移籍ウラ話「ロマーノ砲…どこから情報を!?」代表戦後の機内で見たスマホ 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/07/17 11:05

「2秒で決めました」伊藤洋輝が“バイエルン入団会見で語らなかった”移籍ウラ話「ロマーノ砲…どこから情報を!?」代表戦後の機内で見たスマホ<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

バイエルン加入が決まった伊藤洋輝。チーム合流を前に、NumberWebの独占インタビューで「移籍の真相」を語り尽くしてくれた

「昨シーズンは、これまでのキャリアでサッカーに関しては最もやりがいがあり、1番成長できたシーズンだったと思います。自分たちのやりたいサッカーをして多くの試合に勝てて、すごく幸せでした。何より、シュツットガルトでの3年があったからこそ、ビッグクラブに挑戦するチャンスをいただけたわけですから」

 晴れてバイエルンの一員になった伊藤は、契約の席で首脳陣と直接顔を合わせた。ただし、ヴァンサン・コンパニ新監督とは電話越しに話しただけ。7月16日、練習の初日にようやく顔を合わせることとなった。

「やはりバイエルンなので、基本的にはボールを持てるだろうし、自分の良さは間違いなく生きてくるだろうなと思います。ただ、個人的には、トップレベルでずっとセンターバックをやってきた監督から、守備の部分も学んでいきたいと思っています」

 コンパニもセンターバックの選手だった。同じポジションである伊藤には高い要求をしてくるだろうことは想像に難くない。それもまた、やりがいになる。

恩師ヘーネスはバイエルン次期監督候補でもある

 今後の伊藤の成長に期待がかかるのはもちろんだが、伊藤の移籍はバイエルンにとっても重要な一歩に見える。地元メディアの報道をもとに状況を整理してみよう。

 実は、42歳のヘーネス監督はバイエルンの次期監督候補の筆頭とされている。今年2月にトーマス・トゥヘル監督の5月いっぱいでの退任が決まると、真っ先に公認候補として名前が挙がっていたほどだ。このときはシュツットガルトとの「2027年6月30日までの契約を全うする」と返したが、このままいけばコンパニの後を引き継ぐと見られている。

 実際、彼が指導者として注目されるようになったのは、2019-20シーズンにバイエルンのセカンドチームを率いて3部リーグで優勝したときからだ。

 ただ、それ以上のものをヘーネスは背負っている。

 彼の父親ディーター・ヘーネスはバイエルンで選手として活躍したのち、ヘルタ・ベルリンやボルフスブルクでGMを務めた人物。何より大きいのは、その弟のウリ・ヘーネスがバイエルンのクラブ史に燦然と輝く存在であることだ。セバスティアン・ヘーネスの伯父にあたるウリ・ヘーネスはバイエルンの選手として一時代を築いたあと、指導者ではなくGMとして能力を発揮。ドイツでもっとも資金力のある現在のバイエルンを築き上げて、後に会長も務めていた。つまり、セバスティアン・ヘーネスは“バイエルンの血”の正当な継承者なのだ。

伊藤獲得はバイエルン大型プロジェクトの第一歩

 彼だけではない。

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