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「2秒で決めました」伊藤洋輝が“バイエルン入団会見で語らなかった”移籍ウラ話「ロマーノ砲…どこから情報を!?」代表戦後の機内で見たスマホ
posted2024/07/17 11:05
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Hideki Sugiyama
伊藤洋輝(25)のバイエルン移籍決定後初めてとなる独占インタビューが実現した。今夏の欧州サッカー移籍市場、日本代表をめぐる最もホットな話題となったバイエルンへのステップアップ。合流直後の会見では語らなかった「電撃移籍決定の真相」を初めて明かすとともに、自身のサッカー観や素顔まで。チーム合流前、大いに語ってくれた。〈NumberWebノンフィクション、全3回の第1回〉
話を聞いて2秒で「はい、行きます」と
「話がある」
その一言だけで、伊藤洋輝はピンと来た。ついにオファーが来たのだな、と。
6月6日のミャンマーとの試合を終えたあと、代理人から電話があった。
予想の半分は当たっていたが、残り半分は外れた。
「バイエルンからオファーが届いたよ」
オファーが来たというのは予想通りだったが、それがあのバイエルン・ミュンヘンからのものだとは思ってもみなかった。
驚いた。だが、嬉しかった。
「話を聞いて、2秒で決めました。『はい、行きます』と」
もちろん、そこから先の細かい条件については代理人が話を進めてくれた。
そして2023-24シーズンの最後の試合となる11日のシリア戦を終えると、伊藤は極秘裏にミュンヘンへ飛んだ。その機上では思わぬメッセージが届いたのだが――。
バイエルン移籍の1年前にあった“契約の伏線”
この日を迎えるまでには、紆余曲折があった。
すでに報じられたとおり、2023年の夏、オランダのアヤックスから熱烈なオファーが送られていた。伊藤も移籍に前向きだった。
ただ、当時シュツットガルトに就任したばかりのセバスティアン・ヘーネス監督が、伊藤の残留を熱望し、クラブも監督の考えを尊重した。ボルナ・ソサやコンスタンティノス・マブロパノスといったディフェンスラインの主力が去るため、それ以上の主力の流出は認められないというのが彼らの考えだった。当時の契約には、一定金額のオファーが届けば自由に移籍できるという契約解除条項も盛り込まれていなかったため、伊藤サイドとしてもどうすることもできなかった。
唯一の例外が、遠藤航だった。