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「2秒で決めました」伊藤洋輝が“バイエルン入団会見で語らなかった”移籍ウラ話「ロマーノ砲…どこから情報を!?」代表戦後の機内で見たスマホ 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/07/17 11:05

「2秒で決めました」伊藤洋輝が“バイエルン入団会見で語らなかった”移籍ウラ話「ロマーノ砲…どこから情報を!?」代表戦後の機内で見たスマホ<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

バイエルン加入が決まった伊藤洋輝。チーム合流を前に、NumberWebの独占インタビューで「移籍の真相」を語り尽くしてくれた

 すでに30歳になっていたことに加え、クラブとしても拒否できないような推定2000万ユーロ(当時のレートで約32億円)のオファーをリバプールから受けたから、移籍は認められた。その代わり、同じポジションには、バイエルンのセカンドチームやホッフェンハイムでヘーネスが監督を務めていたときの教え子で、大のお気に入りであるアンジェロ・シュティラーを獲得した。

 そのような事情もあり伊藤は残留したのだが、代理人はクラブと話し合ってくれた。そして、契約解除条項を設定するとともに、伊藤の給料をトップチームの主力選手にふさわしい額に上げたという。それがバイエルンとの移籍がスムーズに決まる要因ともなった。

ヒロキ、キャリアアップしたいのはわかる。だが…

 ただ、それ以上に伊藤にとって大きかったのは、その時期にヘーネス監督とキャリアプランについてじっくり話せたことだ。

「ヒロキ、君がキャリアアップしたいと考えるのはわかる」

 2023-24シーズンのヨーロッパサッカーを席巻したレバークーゼンのシャビ・アロンソ監督が、選手の指導だけではなく、クラブや選手の未来像の構築にもかかわることで成功したのは有名な話だ。ヘーネス監督は、人事権などは持たないものの、アロンソ監督と同じように、選手のキャリアを一緒になって考えてくれる監督だった。

 ヘーネス監督は、伊藤にこう続けた。

「今回、ワタルだけは特別だった。30歳にもなって、年齢を考えてもビッグクラブへ行く最後のチャンスになりかねなかったからだ。だが、キミはまだ若い。もう1年私と一緒にプレーしたら、さらに成長させられる。そうしたら、絶対に良いクラブからオファーがくるはずだ。キミには真のビッククラブと言えるようなクラブ以外に行ってもらいたくはないんだ!」

 今の自分を評価してくれているだけではなく、未来のキャリアについてまで考えてくれている。そんな監督とのやり取りがあったからこそ、伊藤はより高いモチベーションでシーズンを戦えた。

「契約についてどうこうという話ではなく、監督はメチャクチャ親身になってくれて。昨シーズンの最終戦で僕は交代でベンチに下がったんですけど、移籍することになると予想していたからか、『本当にありがとう』と言ってくれて。すごく良い監督でした」

シュツットガルトの3年があったからこそ、チャンスが

 だから、伊藤はこう考えている。

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