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「廃校になった小学校を野球部寮にしました」過疎地の高校野球部は今…“毎年300人が減少する町”から甲子園出場「監督は元仙台育英の名将」

posted2024/07/14 11:05

 
「廃校になった小学校を野球部寮にしました」過疎地の高校野球部は今…“毎年300人が減少する町”から甲子園出場「監督は元仙台育英の名将」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今春のセンバツ甲子園、33年ぶりに出場した学法石川高(福島)

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中村計

中村計Kei Nakamura

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今春、33年ぶりにセンバツ甲子園に出場した学法石川高。同校のある福島県石川町は昨年の人口が約1万3700人。10年前は約1万7100人で、毎年300人ほど人口が減っている計算になる。
ここ10年で8つあった小学校のうち6校が閉校。そんな過疎地で奮闘する120人もの野球部員たち。率いるのは“甲子園常連”仙台育英高を20年以上指導した佐々木順一朗監督。同監督に聞いた。【全2回の後編/前編も公開中】

◆◆◆

「毎年250人が亡くなり、50人が生まれる町」

――郡山駅から学法石川までレンタカーで1時間ほどでした。それにしてもすごいところですね……。自然がどんどん深くなっていくといいますか。

佐々木順一朗監督 僕も最初は嫌で嫌で。なぜかというと僕は虫が大嫌いなんですよ。なので、こちらに来てすぐに箱ごと殺虫剤を買いました。

――どんな虫が多いのですか。

佐々木 いちばん多いのはカメムシです。あと、足の長い……なんだ、あれ、カマドウマだ。そういう立地ですから、石川町は今、高齢化と過疎化がすごい進んでいるところでもあるんです。だいたいですけど、毎年、250人くらいの方が亡くなっていて、生まれてくる赤ちゃんは50人くらいだそうです。小学校がどんどんなくなっていて、今後は中学もなくなっていくだろうと言われています。だから、この学校の存続はどうやって人を集めるかにかかっているんです。

――県外の選手もけっこういるんですよね。

佐々木 だって、ここ、県外から採らなかったら来ないですよ。福島県の下の方で、ほぼ栃木県と茨城県に接しているくらいの場所ですから。学校からは最低でも1学年、40人は採ってくださいって言われているんです。なので、120人体制の野球部になります。ピンからキリまで、いろんな選手がいますよ。

「廃校になった小学校を寮にしました」

――仙台育英時代のように「来たければ来ていいよ」というスタンスでは、もういられないわけですね。

【次ページ】 「廃校になった小学校を寮にしました」

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