大学野球PRESSBACK NUMBER

慶大キャプテン、関大キャプテン、東北福祉大の学生コーチも!「自主性重視」には逆行も…奈良・生駒ボーイズOBはなぜ令和でも活躍できる? 

text by

清水岳志

清水岳志Takeshi Shimizu

PROFILE

photograph byTakeshi Shimizu

posted2024/07/05 17:04

慶大キャプテン、関大キャプテン、東北福祉大の学生コーチも!「自主性重視」には逆行も…奈良・生駒ボーイズOBはなぜ令和でも活躍できる?<Number Web> photograph by Takeshi Shimizu

現在も強豪であり続ける生駒ボーイズ。指導スタイルは「令和の主流」ではないが、それゆえに学ぶものがあると選手はいう

 新チームではキャプテンになる。それは必然なことだった。中学高校でも責任ある立場でチームを引っ張って、自分自身の成長にもなった。キャプテンをやりたいと思えたからだ。

 慶応の本間は「太郎は昔からリーダーシップがあった」という。

「小中高大とすべてでキャプテンをやってる。ほんとすごいです」

 4年の春は1番ライトでスタートした。しかし、藤原の調子も本間同様に上がらなかった。チームも京大に連敗するなど、金丸夢斗というドラフト1位候補の投手を擁しながら結局、5位にとどまった。慶応と関大。各リーグ戦を制して大学選手権の決勝で当たっても不思議ではない両大学だが、春は芳しくない結果に終わったのは同期主将ゆえの因縁だろうか。

骨肉腫を克服した音野は東北福祉大へ

 上宮太子で学生コーチだった音野峻也は、憧れの元山飛優の後を追って東北福祉大に進学したかった。5年再発の心配はなくなっていて、医師からは地方に行くことの了解は取れていた。しかし、親元を離れて一人暮らしをするということは自立が求められる。高校の時は親が車で駅まで送り迎えしたこともあったが、そういう利便性はなくなる。

 監督の石田が東北福祉大の出身で(前阪神監督の矢野燿大とは同期で主将と副将の間柄)、音野は希望を伝えたが、遠いことを理由に反対された。

「両親とも離れるしダメだって最初は言われました。でも、どうしても行きたかった」

 石田は上宮太子、東北福祉大の監督とも話して進学をまとめた。音野の熱があったから石田も親も折れたのだ。東北福祉大でも学生コーチになった。生駒ボーイズの先輩・後輩も多く、1年生には生駒ボーイズ→佐久長聖出身の従弟も在籍する。

 今年1月、ヒザの手術をした。人工関節の金具が緩んでいた。リハビリを経て3月初旬、鴨川合宿があって、守備練習のノックを相当数、打ったという。そして3月後半、春の東京遠征があって関東の有力大学・社会人チームとのオープン戦に帯同した。

 関東に出てくると「野球の奥深さを知る」という。慶応の本間、明治の池田凛の二人の同期とも食事をした。

「大学日本一の慶応のキャプテンが幼馴染で誇らしい」

 あっという間にもう、4年。自分でもよく、ここまでやってきたなとたまに思うことがあるという。そして続ける。

「4年になって野球がますます面白くなってきました。早く仙台に帰って練習したい」

 ただしかし、春季リーグは仙台大との直接対決の最終戦で敗れ優勝を逃し、選手権に進むことができなかった。

【次ページ】 生駒ボーイズ「強さのワケ」は?

BACK 1 2 3 4 NEXT
#音野峻也
#東北福祉大学
#藤原太郎
#関西大学
#本間颯太朗
#慶應義塾大学
#生駒ボーイズ

大学野球の前後の記事

ページトップ