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高1の大谷翔平が涙、花巻東まさかのコールド負け…幼なじみ捕手が振り返る“最後の夏”「最後、一緒にバッテリーが組めて…」 

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内田勝治

内田勝治Katsuharu Uchida

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/06/19 06:01

高1の大谷翔平が涙、花巻東まさかのコールド負け…幼なじみ捕手が振り返る“最後の夏”「最後、一緒にバッテリーが組めて…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

高校時代の大谷翔平。1年時、まさかのコールド負けを喫した試合のマウンドには大谷の姿があった

「翔平と小さい頃から野球をしてきて、最後の最後でバッテリーを組めたのは本当によかったし、今となってはいい思い出になっています」

 試合後には、涙を見せる大谷に、自身が使用していた打撃用のエルボーガードとレッグガードをそっと手渡した。いずれはチームの主軸として活躍するであろう後輩に思いを託し、花巻東を卒業。目標だったプロを目指すため、首都大学リーグの強豪・東海大へと進学した。

菅野、菊池、大谷を間近で見たキャッチャー

 東海大には、3学年上に菅野智之(現巨人)がいた。首都大学リーグ通算37勝4敗、防御率0.57と圧倒的な成績を残したエースから多くのことを学んだ。菊池雄星(現トロント・ブルージェイズ)、大谷翔平、そして菅野智之……。日米で活躍する3人を間近に見ることができたのは、佐々木にとってかけがえのない財産だ。

「3人に共通しているのは、みんな考えて、何事も熱心に練習して野球に取り組んでいるところです。やることを決めて、それを淡々とやって試合に挑むところも共通していますね」

 試合前のルーティンも三者三様だ。大谷は朝、納豆を食べてから、決まった練習メニューをこなし、菅野はインナーマッスルを入念に鍛える。菊池は、真夏の炎天下にもかかわらず、温かい紅茶を水筒に入れてから試合へと向かった。

「僕は冷たいものを飲んでいたので、凄いなと思って……。体を冷やさないようにしているのかもしれないですけど、雄星さんには聞けなかったですね(笑)」

大城卓三の衝撃

 佐々木は大学でDHとして打席に立つことが多かったが、捕手として試合に出場する機会は限られた。同級生の大城卓三(現巨人)が、扇の要としてチームの主軸を担っていたからだ。

【次ページ】 大谷に「打撃の意識」の質問をすると…

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