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甲子園の風BACK NUMBER
高1の大谷翔平が涙、花巻東まさかのコールド負け…幼なじみ捕手が振り返る“最後の夏”「最後、一緒にバッテリーが組めて…」
text by
内田勝治Katsuharu Uchida
photograph byJIJI PRESS
posted2024/06/19 06:01
高校時代の大谷翔平。1年時、まさかのコールド負けを喫した試合のマウンドには大谷の姿があった
「捕手だと年齢的にもきつくなってくるので、プロは厳しいなと思っていました。でも、純粋に野球が好きですし、都市対抗は観客や応援も本当に凄くて、それがモチベーションになっていて、ここまで野球を続けています」
気づけば、チームで2番目の年長となる32歳になった。社会人ではベテランの域に入る。「求められるのは自分の結果だけじゃない。チームのことも考えていかないといけない」と、自身の立ち位置も分かっているつもりだ。ただ、大谷と同じく、佐々木もまた、日々進化することを考えながら野球に取り組んでいる。
「まずは試合に出られるまで現役を続けたいと思っています。そしていつかは岩手に帰って、地元の野球に貢献したいなと思っています」
幼なじみは、海の向こうで1000億円を超える契約を交わすまでのメジャーリーガーとなった。
大谷翔平は「野球の神様」
「野球の神様ですね」
佐々木は笑いながら、大谷翔平の存在をそう評した。
「翔平も最終的には、岩手に帰ってきて……いや、日本の野球にもっと貢献してくれるんじゃないかなと思います」
かわいかった後輩は、もはや岩手の枠には収まりきらないほどの野球選手へと成長した。ただ、故郷で一緒に野球に携わることができれば、こんなにも幸せなことはない。その日を夢見て、佐々木は今日も白球を追う。
<前編もあわせてお読みください>