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楽天→DeNAでクローザー定着、森原康平32歳に聞いた「山崎康晃へのメッセージ」「ベイスターズに来て良かった?」「マウンドで微笑む理由」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/06/03 11:01
今季も好リリーフを続ける森原康平。ハマの守護神の哲学にインタビューで迫った
開幕2日前にピタッと合った歯車
「オープン戦は結構ボロボロで、自分の中で感覚的にズレがあったのですが、開幕2日前にブルペンに入った時、ピッチングのリズムやタイミングがピタッと合うのを感じられて、これなら大丈夫だなって思えたんです」
プロ8年目の32歳。投手ならではの微細な感覚を研ぎ澄まし、森原は過去の経験から自分の中で正解を見つけ、何とか開幕戦に間に合わせた。またオープン戦最後の登板から1週間空いた中、そこを見極め信頼し、開幕戦で起用をしてくれた首脳陣に森原が感謝するのは正直なところだろう。
山﨑康晃へのメッセージ
厳しい競争の世界。今はクローザーの立場ではあるが、ライバルである山﨑の姿を森原はどのように見ているのだろうか。1歳下のチーム生え抜きの象徴的な守護神。現在、山﨑はセットアッパーとして、熱い想いを胸に秘め黙々と自分の仕事をしている。互いにリスペクトをする関係であり、森原は真摯な表情で語った。
「ヤス(山﨑)は9回にこだわってやっているし、どこでも投げるってタイプではないと思うんです。覚悟はもちろんあるし、生え抜きで、チームの顔でもある存在。だから逆にヤスには(9回への)こだわりを強く持っていて欲しいと思っているんです」
同じ場所で投げ、切磋琢磨する仲間だからこそ感じ取れる感情がある。だが森原としては、掴んだ場所を簡単に手放すわけにはいかない。
「誰がどうってわけではなく、自分としてはとにかく挑戦がしたいんですよ。昨年は後半の2カ月ぐらい9回を任せてもらいましたが、今年はシーズン頭から最後まで投げ抜くってことをやり通してみたいんですよね」
最後まで投げ抜く価値とは?
全球団で12人しかいないクローザー。ひと握りの選ばれし者にしか見えない風景がそこにはある。