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楽天→DeNAでクローザー定着、森原康平32歳に聞いた「山崎康晃へのメッセージ」「ベイスターズに来て良かった?」「マウンドで微笑む理由」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/06/03 11:01
今季も好リリーフを続ける森原康平。ハマの守護神の哲学にインタビューで迫った
「最後まで投げ切れることの経験値たるや多分この先の人生を考えても、自分の大きな財産になることは間違いないと思うんです。これは今しかできないこと。だから自分の中では挑戦って感じなんです」
潤いのある声で森原は言う。これ以上、投手冥利に尽きることはない、と挑戦権を手に入れた森原は少しだけ頬を紅潮させた。
三振にこだわりも「基本的には昨季と変わらない」
今季のピッチング内容で特筆すべきは、コントロールの良さと奪三振の多さだ。
制球力が高くバットに当たりにくい投手を割り出すための指標であるK/BB(奪三振÷与四球)は7.33。通常3.5で優秀と言われる指標だが(昨季は3.09)、森原のコントロールの正確さが際立っていることがわかる。
「自分はパワーピッチャーではないので、コントロールにはこだわっています。やはり四死球を出したくないので、そこは以前から変わらないことですね」
K/9(奪三振率)の指標も高く9.43(昨季は7.17)という数値を残している。
「確かに今季は三振にはこだわっていますね」
強いストレートもしかり、今季はフォークが鋭く落ち、空振りを奪えている。ある意味、昨年よりもクローザーらしいピッチングができていると言ってもいいだろう。
「でも基本的には変わらないんですよ。とにかく先頭打者を出さない、フォアボールを出さない。そして“3球構成”。初球でストライクを取って、2球目でカウント0-2か1-1にする。困ったら低めの制球で頑張って、シングルであれば打たれてもいいという配球をする。本当、基本の基本みたいな感じでやっているだけなんです」
マウンド上で微笑む理由
事もなげに森原は言うが、その基本をやり抜くことが難しいからこそ、多くの投手たちは苦しんでいる。やることはわかっているが、再現性をもって実行するのはどれだけ大変なことか。