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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「そこはね、俺は俺なんですよ」長谷部誠、岡崎慎司の引退に…欧州11年目・原口元気33歳が探す“燃え尽きる場所”「移籍先は街も大事」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTaisei Iwamoto
posted2024/05/22 11:30
リーグ2位と躍進したシュツットガルト。出場機会が限られた原口だが、多くを学ぶ時間でもあったと振り返っている
――元気くんの場合、引っ越しが大変そうですね。
「うちって家具とかも多いし、毎回すごい引っ越しは大変になるよ。移籍先は、さっき言ったように自分がチャレンジできるクラブがドイツにあればいいけれど、そういうクラブがもしないんだったらほかの選択肢も考えなきゃいけないなと。どこがとかわかんないです」
――アメリカなどが選択肢に入って来るということ?
「スイスとかオーストリアとかドイツ語圏とか。まあなんか街も大事で、コペンハーゲンとか、わかんないけど良さそうだなと。でも、ストックホルムまで行くとチームないかなっていう。ウィーンはいいな、ラピド(・ウィーン)とかがあったらいいなとか。ただの妄想で、全然(具体的な)話してないし、まずはドイツで探してうまくいけばいいんですけどね。そればかりはもう1年間試合に出てなかったんで、今までの実績だけを評価されるところではあるのだけど」
――そういう時は何を材料にするんです? 映像?
「いやそこは、これまでの実績というか。ドイツのクラブであれば、原口元気のことを知ってくれているけれど、今からスペインとかイギリスとかは、現実的に絶対ないと思う」
ちょっとした雑談ののち、「まあ見ていてよ」そんな軽口を叩きながら、チームバスへと原口は向かっていった。にやりと笑いながら去っていった様子はかつてのやんちゃな原口のようでもあり、肩の力の抜けたベテランらしさも同時に感じさせた。
時間は着実に経過しているのだ。1シーズンもほとんどプレーしていないのだから、新天地探しも、新天地でのポジション争いも簡単ではないはずだ。それでも話をきいて、月並みかつシンプルではあるが、あらためて原口元気の今後を楽しみにしている。
〈前編から続く〉