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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「そこはね、俺は俺なんですよ」長谷部誠、岡崎慎司の引退に…欧州11年目・原口元気33歳が探す“燃え尽きる場所”「移籍先は街も大事」
posted2024/05/22 11:30
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Taisei Iwamoto
「いやいや、一番プレーしたいのは僕」
周囲にどう思われていようと、原口元気は前を向いている。
「まあ、いろいろな不安要素はあるにせよ自分自身にはまだ全然期待してて。どこに行くかまだ決まってないけど。良いところに行ければいいんだけね。もしドイツに残るんだったら、2部とかになる可能性もあるんだけど、昇格も難しいかなって思うクラブに行こうとは思わないんで。ある程度、昇格できる規模とかもしかしたら昇格を目指しているクラブとか、そういうとこにうまく入り込めたらいいな。移籍ってパズルなんで」
――移籍は確かに一人の都合だけじゃどうにもならなくて、ほかが動いたらとか駆け引きとか不可抗力の部分もある。
「うん。うまくいけばいいな」
――でもやっぱり、私も無責任ながら原口元気のプレーをまだ見たい。
「いやいや、一番プレーしたいのは僕で。でもね、めちゃくちゃ勉強になりましたね、この監督(セバスティアン・ヘーネス)。めちゃくちゃいい監督。試合に出られなくて悔しいって思いはあるんだけど、監督としてはめちゃくちゃすごくて。戦術、アナライズ、確実に相手が嫌がる分析をして効率的な戦術に落とし込んで。ウルス・フィッシャー(原口の前所属ウニオン・ベルリン時代の監督。2部から昇格させ、CL圏内にまで成長させた)とは違うけど。違うタイプでトップレベルの監督と、2回連続でできたというのは、今後のキャリアに生きると思います。(この1年は)選手としてはダメージがあるし、自分の価値は落ちたと思ってるし、この先もなかなか簡単じゃないけど」
苦しい中でも、得るものがあった。もしかしたら自分をこの苦境に至らせたかもしれない指揮官を認めるくらいに原口は大人だった。