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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
筒香嘉智が語ったDeNA復帰の舞台ウラ…三浦大輔監督から電話「待っているぞ」牧秀悟は「すごい真面目!」「一番変わったのは…山崎康晃」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byJIJI PRESS
posted2024/05/22 17:03
ベイスターズ復帰後、初のインタビューに応じた筒香嘉智。チームメイトやベイスターズへの思いを明かした
山﨑は4月18日に横浜スタジアムで行われた筒香の復帰会見に桑原、柴田竜拓内野手らと駆けつけ、一塁ベンチから復帰を祝った一人だ。7点差をひっくり返した5月11日の阪神戦では7対9と2点差を追う8回に5番手で登板。1安打無失点に抑えると、その裏に蛯名達夫外野手の同点弾と筒香の決勝弾で逆転。お立ち台に立った際には、勝利投手となりベンチに戻ってからも仲間を鼓舞する山﨑の姿に、筒香が「思うものがあった」と語っていた。
筒香「優勝を本気でしたい。彼なりにチームに対して思っている部分があると思うんですけど、それを本気でやっている。『ちょっとホントに、みんなやろうぜ!』という感じですね。康晃の言動を見ていて、僕はそこを凄く感じます。彼も元々は表に出て、あまり話をするタイプではなかったと思うんです。でも自分がチームに対して言葉を発する必要性とか、彼の中でかなりそういう意識が上がったんじゃないかなというのを感じますね」
フランクで明るく、楽しく野球をする。そんなベイスターズのチームカラーはずっと変わっていない。でも、その中で勝つことへの渇望を選手がしっかり持ち出している。そのために自分が何をしなければならないのか。そのことを選手個々が考えるチームになっていた。そこが4年間、離れていた間のベイスターズの一番の変化だった。
筒香「外身(そとみ)は正直、今まで通りのベイスターズだなって見えると思うんですけど、中に入ると『あれ、全然違うじゃん!』というのをめちゃめちゃ感じています」
いまも頭の中に刻み込まれた試合の景色
このチームで優勝することが日本球界に復帰する際の1番のカギとなったと語る筒香にとって、そんな選手たちとの信頼関係がチームに溶け込んでいく潤滑剤となったのかもしれない。そしてもう一つ、筒香がここまで早くチームに溶け込んでくために大きな役割を果たしたのが、熱烈なファンの声だった。巨人入りが報じられた際に「ネットが荒れた」ことが、むしろベイスターズファンの自分に対する想いと感じて、それもまた古巣復帰を後押しする1つの材料となったように、ファンの声にはいつも耳を傾け、そこから勇気をもらっている。
筒香「横浜スタジアムの声援……アメリカに行く前の、最後になったクライマックスシリーズの試合(2019年10月7日、阪神戦)の景色は、僕の頭の中にいまでもあるんです。その試合に負けてシーズンが終わってしまったんですけど、ずっとその景色は僕の中に刻み込まれていました。またチームに帰ってきて、再び横浜スタジアムのあの声援、大歓声をいただいたときに、本当に自分は幸せ者だなと思いました。ただ帰ってきて1試合目にはそう思って、ありがたいことだなと思っていましたけど、いまはちょっと違うんです。やっぱりこの声援を受けると『ちょっとやらないかんな!』『絶対に勝たないかんな!』という気持ちが、なおさら大きくなっていく。いまはそんな風に感じています」
横浜高校時代に見たベイスターズの試合
入団会見でも筒香はファンに感謝の言葉を何度も語った。そのとき思い出していたのは、空席だらけだった入団当時の景色だった。横浜スタジアムが連日、満員になる光景を目にして「隔世の感を感じる」とも語っていた。