- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「プレミアに移籍すると言い続けたら現実になった」ルートン電撃加入から3カ月…橋岡大樹、何が変わった?「とにかく残留したい。いや、します!」
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byYudai Emmei
posted2024/05/10 17:02
橋岡のいとこでもあるフォトグラファー延命悠大氏が撮影。英国での生活もすっかり慣れてきた
あくまで自分らしく、自然体で。余談だが、ファッションに対してもスタンスは同じなのだそうだ。常にファンやメディアから注目される職業だから、見た目にはこだわるタイプ。洋服選びも好き。ただし、その基準は自分に似合うかどうか。最もカッコイイと憧れる男性有名人は、あの人だ。
「長瀬智也さん。バイク好きとして有名ですけど、そのこだわりや生き方がファッションにも現れていて、すごく似合っている。長瀬さんみたいな服装が好きということではなくて、自分のスタイルを持っていることがカッコイイ。生き方や人間性と服がマッチしているんですよね」
橋岡は、ナイスガイだ。敗戦後の悔しさも、オウンゴールしたときの心境も、はたまたサッカーとは関係ないファッションのことも、練習への行き帰りに車内で『酒のツマミになる話』の音声を聞いているというエピソードも。屈託のない表情と声色で素直に話してくれる。
ただし、これはあくまで表の顔である。当たり前だが、みんなに愛される「ハシ」にだって、悔しさと絶望感にまみれた誰にも見せたくない表情になることがある。
「悔しくて、悔しくて…」TVで見たアジア杯
今年2月、橋岡は自宅のテレビの前で眉間に皺を寄せたまま、拳を握りしめていた。目の前の画面には、アジアカップ準々決勝でイランに敗れる日本代表の姿が映し出されていた。
「2022年にカタールW杯が終わったときに、次の国際大会では絶対に俺も代表に入るんだと誓いました。でも、入れなかった。それが悔しくて、悔しくて」
日本はイランの高さと強さに屈した。両サイドから次々とクロスを放り込まれ、逆転負けを喫した。もしもあの場に、高さのある橋岡大樹がいれば……そんな筆者の空想を伝えると、それまで饒舌だった184cmの長身サイドバックは、口をつぐんだ。