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山川穂高「大ブーイング凱旋」の裏側…西武の後輩選手は「感情移入しちゃう」「山川と再会のハグ」記者が見た“愛憎のベルーナドーム”
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byNanae Suzuki
posted2024/04/13 17:07
試合前、西武の選手やコーチと談笑していた山川穂高。打席ではブーイングを浴びせられたが、実際の現地での雰囲気は…
「フルカウントまでしっかりいって。もちろん打ちたかったですけど、最後は低いと思って見切ってストライクだったので、致し方ないかなと思います」
ブーイングは甲斐野への声援に
頑張れ、頑張れ、甲斐野――。
レフトスタンドからの大きな声が届き、予期せぬ形で西武に移籍して来た新セットアッパーはピンチ脱出まであと1アウトにこぎつけた。甲斐野が山川を三振に打ち取るという痛快なシーンに、周囲とハイタッチを交わすライオンズファンも見られた。前の3打席と比べてブーイングの声量ははるかに小さかった一方、甲斐野を讃える声が自然に湧き上がった。
ブーイングが「気になる」と言った選手
「ブーイング? 気になりましたね。山川さんとは同じ選手の立場なので、自分だったらきついだろうなって、感情移入しちゃいますね」
試合後、率直な声を漏らしたのは外崎だ。大学時代からの後輩は、おそらく最も複雑な感情を抱いてきた一人かもしれない。
「(山川の打席は異様な雰囲気?)まあそうですね。僕は何も感じなかったですけど」
勝負に徹したのは、ソフトバンクの指揮官・小久保裕紀だった。
では、マウンドで対峙した今井は何を思ったのか。
「(ブーイング?)気にしない、しかないですね。山川さんには常に一発警戒している中で投げたので。でも、楽しかったっすね。また対戦したいなって思います」
山川が堪能した今井との勝負
初めて対戦した今井と山川は、互いの力を認め合うように笑みを浮かべていた。最高の勝負を堪能したのは、山川も同じだった。