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中日・立浪和義が開幕前にしていた予言「2024年からホントに“新たなドラゴンズ”が始まる」旧知の記者に語った改革の手応え「正直に言えば、1年遅れた」

posted2024/04/17 11:01

 
中日・立浪和義が開幕前にしていた予言「2024年からホントに“新たなドラゴンズ”が始まる」旧知の記者に語った改革の手応え「正直に言えば、1年遅れた」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今季スタートダッシュを決めた中日。チームを率いて3年目、契約最終年の立浪和義監督が開幕前に漏らしていた今季への手応えとは…

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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 昨年まで2年連続最下位に終わるも、今季はセ・リーグの首位をひた走る中日ドラゴンズ。昨年秋のオフ、旧知の記者・喜瀬雅則氏に語った立浪和義監督の2024年シーズンへの覚悟とは? 4月17日発売の『中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由』(光文社新書)より、インタビュー内容を一部抜粋してお届けします。(全3回の第1回)

野手41人中30人が「新しい血」

 ここで、中田翔の加入による驚きのデータを紹介しよう。

 支配下、育成含め、2024年に向けての野手の陣容は、中田を含め計41人となった。

 このうちの30人が、入団3年目以内の若手、あるいは2022年からの立浪政権下で移籍してきた選手になる。

 つまり、野手の「7割強」が、ガラッと入れ替わったことになるのだ。

 2011年、リーグ連覇を果たしながら監督8年目の落合博満が退任。以来、中日は優勝から遠ざかり、2023年までの12シーズンでAクラスはわずかに2度だけ。立浪が監督に就任した2022年から、球団史上初の2年連続最下位に陥っている。

 中日での優勝を経験した現役選手が、野手では38歳の大島洋平、投手でも35歳の大野雄大の二人だけになってしまった。

 こうなってくると、妙な“負け癖”がついてくる。

京田、阿部のトレード断行の背景

 首脳陣がいくら自己犠牲やチームプレーの重要性を説こうとも、それがチームの成績に繋がらないという空しさゆえに、個人のパフォーマンスにそれぞれの関心が向いてしまうのは、この世界の常でもある。

「勝つために」という発想に、どうしても至らなくなってしまうのだ。

 2022年オフ、レギュラーの遊撃手だった京田陽太はDeNAの左腕・砂田毅樹(よしき)と、二塁手の阿部寿樹は楽天の右腕・涌井秀章と、それぞれ交換トレードが断行された。

【次ページ】 チームへの自己犠牲

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