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涙の大阪桐蔭“テレビに映らない”ウラ話「ほんとのほんとのことを言うと…」西谷浩一監督の口調が変わった“ある質問”…主将も本音ポツリ
posted2024/03/29 17:03
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
KYODO
その瞬間、平静という仮面がはがれ落ちた。
大阪桐蔭の監督、西谷浩一がこぼす。
「まあ、そのレベルでやっている方が、力が出るかなと思ったんで。まだ、本当の力がついてないということだと思います」
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敗戦後は特にそうだが、西谷の囲み取材は立て板に水状態に陥りがちだ。極度に慎重な西谷は本音を悟られないよう努めて穏やかな表情を維持し、差し障りのないコメントに終始する。
しかし、ゲームの終盤、報徳学園に追い詰められているにもかかわらず、3番手でマウンドに上がった中野大虎を中心に大阪桐蔭の選手たちが笑みを絶やさずにプレーしていたことについて触れると、西谷は明らかに不満げな表情を浮かべた。
劣勢でも笑顔…西谷監督はどう見た?
西谷は選手たちの笑顔を明確に否定したわけではないが、「レベル」という言葉を繰り返した。
「あまり緊張感を持たせ過ぎずに、リラックス状態をつくってあげて、というレベルだと思います。ほんとのほんとのことを言うと、初回に2点を取られて、苦しくなっているので、そういう逆境の中でもじわじわ行けるのが本当の強さだと思う。そのへんが備わってないということが今日、わかりました」
わかるようで、わからない抽象的な説明が続く。
「0−0と0−2では(気持ちが)違う。苦しい中でも、ピッチャーはしっかり投げ、野手はしっかり守り、打つ方もしっかり打てるのが本当の強さだと思うので。まだ、そこが兼ね備わっていない……ということがよくわかったと思います」
それまで明快な受け答えをしていた西谷の言葉が途端に長く、回りくどくなった。その様子こそ西谷が核心部分に触れていることの証のようにも思えた。