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甲子園の風BACK NUMBER
甲子園出場と東大合格…本当に両立できる? 『ドラゴン桜』作者がズバリ「受験勉強のコツは2つしかない」「(佐々木)麟太郎君と話しました」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/04/04 11:00
『ドラゴン桜』『クロカン』『砂の栄冠』などのヒット作を手がけてきた漫画家・三田紀房先生
三田 とにかく美しいですね。カリフォルニアのとてつもない広大な敷地に、スペインのコロニアル様式で統一された校舎や宿舎が建ち並ぶ。創立者のリーランド・スタンフォードさんは、ゴールドラッシュの時代に東海岸のニューヨークから西海岸のカリフォルニアに移り住みました。非常に賢い方で、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアで金を掘り当てたのではなく、金を掘るためのスコップを売って財を成した。ゴールドラッシュを夢見る人が集まるからこそ、鉄道輸送会社を設立してインフラを整備し、ホテル業も起こした。そういうしたたかさも持ち合わせないと、人生には勝てないというフィロソフィーが建学の精神にあって、それが現在も受け継がれているからこそ、スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)やタイガー・ウッズ(プロゴルファー)のような、飛び抜けた逸材が生まれるのではないでしょうか。
進学校でない花巻東に「“桜木建二”はいる?」
――花巻東は決して進学校ではありません。野球部は学力に関係なく全員が同じクラスです。そうした環境でも、『ドラゴン桜』で描かれたような効率の良い勉強をすれば東大も目指し得るのでしょうか。
三田 甲子園と東大という二つの夢をかなえたい子にとっては、花巻東はありがたい環境だと思います。まず甲子園には県内でも一番近い立場にありますよね。そして、東大も目指したいという生徒には、僕にもたびたび相談があるように、佐々木監督も協力を惜しみません。強豪でありながら、勉強の時間も確保できる学校ですし。受験勉強というのは意外と単純で、基礎をしっかり叩き込んで、ひたすら過去問を解くという、この二つしかコツはない。シンプルなことをコツコツやることが大事になります。
――花巻東に『ドラゴン桜』の主人公である桜木建二のように、奇想天外なアイデアで生徒を東大合格に導く教師はいるのでしょうか。