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水原一平の“発言”に致命的な疑問「あの厳重セキュリティ…どう盗んだか」大谷翔平にも厳しい米報道“まとめ”「オオタニの沈黙は憶測を呼ぶ」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2024/03/23 17:03
ドジャース大谷翔平を巻き込んだ元通訳・水原一平氏の違法スポーツ賭博騒動が、米球界を揺るがし米メディアを席巻している
筆者の疑問「米銀行の厳重セキュリティ」
米メディアやSNSでは、この騒動を野球賭博でMLBから永久追放された歴代通算最多安打記録を持つピート・ローズ氏と絡めて語る声も出ている。米国の人気トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ」も3月21日の放送でローズ氏を引き合いに出してこの騒動をジョークにしている。キンメル氏が冒頭のトークを「ロサンゼルスでは、ドジャース周辺でドラマが始まっています」で切り出し、大谷を巻き込む水原氏の違法スポーツ賭博騒動を説明。このときにローズ氏をからめて語っていた。21日付のロサンゼルス・タイムズ電子版も「ショウヘイ・オオタニはピート・ローズではない。少なくとも現時点では」と含みを持たせて書いていた。
ローズ氏の野球賭博と永久追放は米野球界で語り継がれる歴史的大事件の1つだ。水原氏は「野球には賭けていない」としているし、大谷自身が賭博をした可能性を取り沙汰されているわけではない状況でローズ氏と比較されるのは、それだけ大谷が球界の大スターということ。「大スター大谷」と「スポーツ賭博」が結び付き、ローズ氏と合わせて語られる事態になっている。
筆者が個人的に気になる点が1つある。米国に住んでいたとき現地の銀行口座を持っていたが、筆者の使っていた銀行のネットバンキングのセキュリティ認証は三重以上になっていた。そのうちの1つは秘密の質問で、あらかじめ登録していた質問と回答が10種類近くあり、ログインしようとするたびに別の質問が出てくる。米国ではカードの情報抜き取り被害などが非常に多く、日本と比べてセキュリティレベルがかなり高い。もし「巨額の窃盗被害を受けた」とするなら、高度なセキュリティをかいくぐってどうやって盗んだのか。それがどう説明されるのか。
日本の国税庁に当たる米国のIRS(内国歳入庁)がすでにこの件に関して不法行為の捜査を開始しており、MLBも大谷と水原氏の調査を正式に開始すると発表している。まだ謎の多い状況だが、今後は捜査の過程で真実が明らかになっていくことになるだろう。