プロ野球PRESSBACK NUMBER
ロッテ・種市篤暉が乗り越えた侍ジャパン“完全リレー”絶体絶命の重圧「あれは“種市の10ミリ”ですよ」「青森でニュースになったと…」
posted2024/03/18 11:03
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
JIJI PRESS
充実した表情で種市篤暉投手はマリーンズに再合流した。3月6日、7日と京セラドーム大阪で開催された侍ジャパンシリーズ2024欧州代表戦に出場。8回から登板した7日のゲームでは侍ジャパン史上初の完全試合リレーの最後を締めた。
「落ち着いて投げることは出来たかなとは思いますけど、凄い緊張感はありました」と振り返る。
大学生の快投がいい流れを…
先発のマウンドに上がったのは関大の金丸夢斗投手。2回を打者6人、4奪三振のパーフェクトに抑えると2番手で登板をした愛工大の中村優斗投手も1イニングを三者凡退。アマチュアから選出された2人が強烈な流れを作り出すと後続も続いた。
ADVERTISEMENT
最初はロッカーで、5回からはブルペンで試合経過を見守った種市も空気が変わっていくのを感じ取っていた。
「本当にあの2人のピッチングは凄かった。プロがそのあと、しっかりと繋げないとまずいぞという雰囲気。だいぶ刺激を感じていました」
4回以降はドラゴンズの松山晋也、イーグルスの渡辺翔太、ライオンズの隅田知一郎が1人の走者も許さずに完全試合を継続。8回にバトンは種市につながれた。
思わずヒヤリ、のあの場面
ブルペンで準備をしながら、マウンドに上がる際の考え方をしっかりとまとめた。導き出したのが「慎重になりすぎて四球を出してしまうのが一番、悔いが残る。だから、思い切りゾーン内にぶち込む」というものだった。先頭からサードゴロ、ファーストゴロで2アウトをとると、代打・パオリーニの打球は、種市がグラブで弾くも遊撃手のライオンズ・源田壮亮が難なく処理し三者凡退にとった。
「ボールをストライクゾーンに押し込むイメージで投げることが出来た。細かいコントロールを気にせず、押し込む。この感覚はシーズンにも生かせるなという発見になりました」。シーズンにもつながるピッチングになった。