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青学大“箱根連覇”に最大のライバル出現? 大阪マラソン&学生ハーフで優勝、下級生も大躍進…絶好調の國學院大 前田監督は「平林の5区もある」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byYuki Suenaga

posted2024/03/14 06:00

青学大“箱根連覇”に最大のライバル出現? 大阪マラソン&学生ハーフで優勝、下級生も大躍進…絶好調の國學院大 前田監督は「平林の5区もある」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

学生ハーフで優勝した國學院大2年生の青木瑠郁。キャプテンで大阪マラソン優勝の平林清澄や山本歩夢といった上級生エースに肩を並べられるか

“レースで勝ち切る”。これが、國學院の上半期のチーム目標だ。

 青木は言う。

「去年の駒澤さんは出るレース全部で勝ち切ったり、記録会でも組トップを取ったりする走りをしていました。それが駒澤さんの強さでもあったし、だからこそ駅伝も強かった。そこに負けないように、自分たちもやっていかなければいけない」

キャプテン平林が「レースで勝ち切ってくれ」

 この目標を立てたキャプテンの平林もまた、自ら実行してみせている。

「僕が決めたんですから、『出るレースで勝ち切ってくれ』ってみんなに言っている本人が、勝って帰らないとキャプテンとして面目が立たない。『レベルが高かったから(勝てなかった)』とは絶対に言いたくなかった」

 2月25日の大阪マラソンには、昨年の世界選手権ブダペスト大会4位のテベロ・ラマコンゴアナ(レソト)、5位のスティーブン・キッサ(ウガンダ)が出ていた。日本勢もパリ五輪が内定している小山直城(Honda)や國學院OBの土方英和(旭化成)といった多くの有力選手が出場していた。そんなメンツが相手でも、初マラソンの平林は怯むことがなかった。そして、日本歴代7位となる2時間6分18秒をマークし、初マラソン日本最高記録と学生新記録を打ち立てて優勝を飾った。

「(チームメイトに)見られているのも分かっているわけで、相手が誰であろうと“勝ち切るレースをするんだ”っていうパッションを平林は見せてくれた。彼がキャプテンとなり、チームも良い方向に行っていると思う」

 前田康弘監督は平林のキャプテンシーを高く評価している。

 “勝ち切る”を体現しているのは、平林や青木だけではない。2月11日の宮古島大学駅伝では全5区間で区間賞を獲得し、チームは完全優勝を果たした。2月25日には1年生の野中恒亨選手が犬山ハーフマラソンで優勝している。

「主力以外の選手も、自分のレベルに合わせてレースに出ると思うので、そのレースでしっかり勝ち切ってくれればチームとしても良い流れができると思う」

 こう話す青木もまた、その流れに乗っただけでなく、その勢いを加速させた。そして、“國學院、強し”という印象をも植え付けている。

【次ページ】 狙うは「来年の箱根駅伝総合優勝」

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