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青学大“箱根連覇”に最大のライバル出現? 大阪マラソン&学生ハーフで優勝、下級生も大躍進…絶好調の國學院大 前田監督は「平林の5区もある」
posted2024/03/14 06:00
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Yuki Suenaga
第101回箱根駅伝で主役になるのは國學院大學かもしれない。そう思わせるほど、今このチームには勢いがある。
3月10日の日本学生ハーフマラソン選手権では、2年生の青木瑠郁が学生日本一のタイトルを手にした。そのレース運びは1時間2分06秒というタイム以上に強さを感じさせるものだった。
「箱根が終わってからずっとこのレースのことしか考えていなくて、ここで絶対に優勝するっていう気持ちでやってきました。調子は今年度で一番良いと思えるぐらい上がっていた。レースプランは立てていなかったのですが、後半勝負できれば勝ち切れると思っていました」
前半はスローペースで進んだが、立川市街地から国営昭和記念公園に舞台を移し少しずつ先頭集団がばらけ始めると、約14kmで青木が仕掛けた。
「自分と周りの余裕度を見て、周りの選手は余裕がなさそうだったので行っちゃいました」
ここからは青木の一人旅。しかも、「追いつかれても、振り払えるぐらいの余裕度を残していた」と言うように、力を温存しつつレースを進めていた。
突出していた青木の強さ
「青木さんの仕掛けには全く対応できなかった。どんな展開のレースでも、今回は青木さんには勝てなかったと思います。タイム以上の差があると感じました」
レース後にこう話したのは、3位に入った早大の工藤慎作(1年)だ。今回の学生ハーフには、多くの有力選手が出場していなかったという事情があったにせよ(※ワールドユニバーシティゲームズの代表選考がかかっていない年は、えてしてこうなる)、青木の強さは突出していた。終盤は危なげない走りで、雄叫びを上げながら歓喜のフィニッシュテープを切った。
きっちりと勝ち切った一方で、青木はこうも話す。
「國學院には山本歩夢さんや平林(清澄)さんがいるので、2人が出ていれば、1、2、3を取れたんじゃないかと思いますが、2人は自分より前だったと思っています」
青木にとって強い先輩2人が出ていなかっただけに優勝することは使命。まさに有言実行のレースだった。