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侍ジャパンで先発抜擢“ノーヒット&4奪三振快投”関西大・金丸夢斗21歳とは何者なのか?…「関西リーグで18連勝中」「目標はカブス・今永」
posted2024/03/08 17:01
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Sankei Shimbun
“圧巻”とは、まさにこのことだろう。
初回、先頭打者のデラノ・セラサへの初球でいきなり150kmをマーク。それから148km、150kmのキレのあるストレートで押し、得意のスプリットで空振り三振。続くフルプからもチェンジアップで連続三振を奪った。2回も先頭のマルティン・チェルベンカからスプリットで三振を奪い、二死後には6番のガブリエル・リノを2ストライクから151kmのストレートで三振に斬って取った。
そこから2番手の中村優斗(愛工大)、松山晋也(中日)らへ好リズムをもたらし、6人の投手による”完全試合“リレーが完成。大学球界ナンバーワンと言われる最速153km左腕・金丸夢斗(関西大)が先発して投じた24球は、見る者に衝撃を与えた。
昨春以降力を入れた「腹圧トレーニング」
身長は177cmと決して大きい方ではない。目に映るのはユニホームがパンパンになるほど詰まった筋肉で形成された体格だ。
「新しい練習方法を(大学)3年生になった去年の春から取り入れていて、それをしっかり極めることがこの冬の日課でした。色んなトレーニングをやっていましたが、特に筋トレで追い込んでこられたので、身体は強くなってきたと思います」
こう金丸本人が振り返るように、昨春以降、特に力を入れるようになったのは腹圧トレーニングだ。腹周りを強くすることで体の幹の部分が分厚くも太くもなった。
「腹圧は腹筋のイメージがあるのですが、背中も横も強くする意識でやっています。腹圧トレーニングをすることで体のブレがなくなってきたんです。身体のズレが生じると投球の動きに影響するのですが、お陰で今はシュートする球が少なくなりました。元々体幹は強い方ですが、さらに安定はしてきましたね」
普段の練習の中では、投擲競技のやり投げの動きも取り入れている。
山本由伸(ドジャース)も行っていた練習方法だが「プロ野球選手の練習方法も参考にしていて、動画もよく見るんです」と明かす。とにかく研究熱心で、気になることがあればすかさず自身で探究し、トレーニングに生かしている。