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鈴木彩艶21歳の告白「森保監督からレギュラー確約なかった」「差別的発言に触れた理由は…」“批判された守護神”が語るアジアカップの真実 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/03/06 11:05

鈴木彩艶21歳の告白「森保監督からレギュラー確約なかった」「差別的発言に触れた理由は…」“批判された守護神”が語るアジアカップの真実<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

アジアカップで日本代表の正GKを務めた鈴木彩艶。21歳の守護神が、さまざまな困難に見舞われた大会の裏側を初めて明かした

「僕のようなミックスルーツの選手は日本にもたくさんいます。競技をしていく上で、もしも苦しんでいる選手がいるのなら、自分の言葉が少しでも助けになればと思って発言しました」

 SNSに書き込まれた差別的なコメントは2件や3件ではなかった。その内容も、とても文字にできない卑劣なものだった。「向き合う価値もない」と断ずることもできただろう。それでもあえて注目を集めるタイミングで発信したのは、これからの社会のため、そして未来を支える子どもたちのことを思っていたからだ。

「サッカーはスポーツですから、ピッチ上で表現していく中でミスがあるのも当然ですし、それに対していろいろな評価をされるものです。でも、その中に紛れて届く“悪いこと”はしっかりと区別しなきゃいけない。僕自身、小学生の頃から(差別的発言を受けることが)ありましたし、そこに屈することはありません。見ぬふりをすることもできたのかもしれない。それでもサッカーにかぎらず、さまざまなルーツを持つスポーツ選手や、小さい子どもたちを救うきっかけになればいいと思って伝えさせてもらいました」

「頭の中で解決策が出ているからこそ…」

 大会期間中には、浦和レッズ時代のGK仲間である西川周作から「勇敢であれ」とSNSを通じてエールも送られた。

「あるコーチに『周作さんが投稿してくれていたね』と教えてもらいました。一緒にプレーしていた選手がエールを送ってくれるのは、素直に嬉しかったです」

 鈴木が持つ「プレーを言語化して整理する能力」の高さは、浦和時代に培ったものだ。トップチームに上がって2年目の22年からは、ジョアン・ミレッGKコーチによって試合翌日にGKチーム全員で試合に出た選手のプレーを評価する時間が設けられた。「そういったところで分析する能力や解決策を見出す能力が鍛えられた」という。

 鈴木は「自分のプレーが終わった後に『これがダメだったな』と頭に浮かぶし、頭の中で解決策が出ているからこそ、悔しい部分が生まれてくる」と、複雑そうな笑みを浮かべた。

「それでも、一つひとつのプレーにフォーカスして解決しようとするのが成長に繋がる。言語化できているのはプラスだと思いますし、そこは変わらずに続けていきたいですね」

 鈴木にとって、アジアカップはさまざまな意味で「メンタルが鍛えられた大会」になった。インタビュー後編では、大会期間中に味わった“これまでにない重圧”や、チームメイトのサポートについても深く掘り下げていく。

<続く>

#2に続く
「夢に試合のシーンが出てきて…」鈴木彩艶がいま明かす“アジアカップの苦しみ”とは? 胸に響いた“冨安健洋の言葉”「すべて過程だから」

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