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鈴木彩艶21歳の告白「森保監督からレギュラー確約なかった」「差別的発言に触れた理由は…」“批判された守護神”が語るアジアカップの真実 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/03/06 11:05

鈴木彩艶21歳の告白「森保監督からレギュラー確約なかった」「差別的発言に触れた理由は…」“批判された守護神”が語るアジアカップの真実<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

アジアカップで日本代表の正GKを務めた鈴木彩艶。21歳の守護神が、さまざまな困難に見舞われた大会の裏側を初めて明かした

 まずはベトナム戦の2失点目。1-1で迎えた33分、相手のFKを起点にファーサイドからヘディングシュートを打たれて一度は弾いたが、逆サイドからこぼれ球を押し込まれた。試合直後の鈴木は、「技術のミス」と話していた。

 改めて失点に至るまでの見解を尋ねると、鈴木はわずか数秒のシーンについて実に細かく問題点を洗い出していた。

「まず、クロス(ヘディングシュート)に出ないという判断をしたのですが、そこで一歩目が大きくなってしまったというのがひとつのミス。そこからポジションを修正して相手が触るときに重心のズレが出たのがもうひとつのミス。その後、ボールに対して後ろの方向に取りにいこうとしてしまったのもミス。そして、上から手を出してしまったのもミス。つまり、小さなミスが重なったという印象でした。ただ、細かいミスをしても、最後の部分の技術で結果を変えられればよかった。下から手を出してもっと強く弾くのか、キャッチングの判断に変えてしまうか……。そういった選択肢があったと思います」

「パンチングの判断は全く問題ない。ただ…」

 第2戦のイラク戦では、立ち上がりの4分に相手のミドルシュートをパンチングしてタッチラインの外へ弾き出し、そのスローインから先制点を奪われた。

 この一連の流れについては、彼にしては強めの口調でこう言った。

「ブレ球のミドルシュートを(パンチングで)サイドに出したプレーをその後の失点と繋げる人が多くいますけど、なぜそれを繋げるのか理解できません。次のプレーは次のプレーです。サイドに出したあのプレーについては、コーナーにしているわけでもなく、自分としては全く問題ない、しっかりとした判断だったと思います」

 ただし、もうひとつ上のレベルの技術を身につけていくことも必要だとも考えている。

「ブレ球のシュートだったので弾いたのは間違いではなかったのですが、弾く時に手を振りすぎてしまっていたので、もう少し当てることにフォーカスして確実に飛ばせればよかった。あのブレ球をキャッチできる技術も、これから身につけなければいけないと思います」

 反省点があるのは、この後の失点の場面だ。日本の左サイドのスローインから逆サイドに展開され、右ポケットの深い位置からクロスを上げられて先制された。鈴木はこのクロスを素早い反応から片手で弾いたが、中央へ進入してきたアイメン・フセインの正面に跳び、頭で決められた。

【次ページ】 大会期間中に「差別的発言」に触れた理由

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