岩渕は強く海外挑戦を推す。昨年のW杯メンバーを見ても23人中9人が海外クラブに所属し、試合の先発メンバーに限ればどの試合でも過半数は海外組だった。さらに、W杯終了後に海を渡ったメンバーもいる。トップレベルで戦ってきた選手が日本国内に舞台を移して戦うことは、現在のWEリーグでは相当な意味づけをしないと難しそうだ。

「WEリーグではベテランも活躍していてもちろん嬉しいんですよ。でも、若い選手がもっと頑張らないといけないと思います。WEリーグで戦う選手はみんな代表に入りたいって思っているのかなって。なでしこジャパンに対してなんか他人事になっているんじゃないかなって思うんです。ギラギラ感というか、代表入ってやるって思っているのかなって」

2013年東アジア選手権　©︎Takuya Sugiyama

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　選ぶ言葉は刺激的だが、日本の女子サッカーを思う気持ちに嘘はない。

セカンドキャリアを模索する日々

　今後の活動の一つの柱はメディア関連ということになりそうだ。岩渕も多くの選手がそうであるように、そもそも、引退後のビジョンを前もって決めていたわけではなく、セカンドキャリアへの不安はあったという。

　具体的に何をしたいかは決まっていなかったが“女子サッカーのために何かをしていきたい”という思いは根底にあった。イベントなどでゲストコーチなどをつとめつつ、まずは知名度と影響力を上げることに取り組むことにした。岩渕はサッカーの世界では知られた存在であっても、外の世界に出てしまうとそうはいかない。そのため、メディア露出を積極的に行い発信力アップに取り組んでいる。

ファンに写真を求められる岩渕真奈　©︎REX/AFLO

　引退してから最初に引き受けた仕事は、昨年9月12日に行われたサッカー日本代表対トルコ戦のゲスト解説だった。あまり興味のなかった解説業だが、実際にやってみると難しさと同時に面白さも感じたという。

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