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“なでしこ”を背負った天才・岩渕真奈30歳で引退「ちょうどいい時代に生まれた」なぜスパッと決断できたのか…痛感した“時代の変化”

posted2024/02/28 11:02

 
“なでしこ”を背負った天才・岩渕真奈30歳で引退「ちょうどいい時代に生まれた」なぜスパッと決断できたのか…痛感した“時代の変化”<Number Web> photograph by JFA/AFLO

昨年9月、引退発表後に参加したJFAファミリーサッカーフェスティバルにて。岩渕真奈が積み上げてきた実績と影響力は後進の発展に大きく活かされる

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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JFA/AFLO

昨秋に引退を発表した元サッカー日本代表・岩渕真奈。31歳となる誕生日を前に、16歳の頃からなでしこジャパンを背負ってきた“天才”が改めてサッカー人生を振り返った。パリ五輪出場を目指す後輩たちへの思いも明かしている〈NumberWebインタビュー全2回の前編〉

 昨年9月1日、岩渕真奈は現役引退を発表した。まだ30歳、最近のトッププレーヤーの中では群を抜いて若くしての引退だった。

 引退後はメディアの仕事を中心にイベントでのゲストコーチ、自ら立ち上げる事業の準備と忙しくも充実した毎日を送っている岩渕に、あらためて引退、そして今後について話してもらった。

「今は新しいお仕事をさせてもらっているからすごく楽しいです」

 所属事務所の会議室でそう話す岩渕は、みかんの皮を剥きながらリラックスした様子だ。戦いの緊張感から解き放たれた、そんな感じにも見えた。

「すごく頑張っていたんだなって」

「なんかでも、サッカーをしているときは楽しかったけど、今振り返ったらすごく頑張っていたんだなっていうのは思います」

 頑張っていた、とはどういうことだろうか。

「体を動かすことって、今、全然やりたくないんですよ。サッカーは全然やりたくないし、遊びでも全然やってないし。サッカーを頑張っていたなっていうか別にやりたいことじゃなかったのかなって。好きだからやっていたけど、現役が終わった今、全然やりたくない。やりきったというのもあるけど、頑張っていたんだなって」

 さほど時間は経っていないはずなのに、まるで遠い日々のように振り返った。

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