ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
“日本代表の強みと思いがち”だが露呈した弱点は、トルシエジャパン時代と同じ…「森保を批判するつもりはない。名波にはそれが可能だ」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byMutsu Kawamori
posted2024/02/26 17:31
日本代表の森保一監督と名波浩コーチ、齊藤俊秀コーチ。彼ら指導陣はアジア杯の敗戦からどのような指針を立てるか
「私は森保を批判するつもりはない。自分が感じたことから分析しているだけだ。名波は選手としての豊富な経験を、代表の攻撃に還元できる。選手個々にアドバイスを与えられるのも間違いない。コレクティブな側面において、名波主導のもとにコレクティブな戦略を確立していかねばならないし、彼にはそれが可能だ。名波や齊藤は練習によりそれを確立できる。
しかし全体の戦略を決めるのは森保だ。プレーのプランを立てて望むものを得るために練習のプランを決めていく。それは森保がやらねばならないのは明らかだ。
とはいえ森保の戦略は結果を得て証明された。W杯で日本は素晴らしい結果を得たし、個としての選手のクオリティとモチベーション、チームへの献身も素晴らしかった。彼らはヨーロッパのビッグクラブに所属し、日本固有のコレクティビティも備えていた。それが結果に繋がった。
だが、ときに個の戦略だけでは足りず、コレクティブな戦略に頼らねばならないときもある。森保もこの方向性を考慮すべきであり、選手たちにアジアカップで失った自信を再び与えるべきだ。
選手は頼れる存在を必要としているし、ガイドを必要としている。どうすればいいかを具体的に求めている。戦術は11人の個々人がそれぞれに決めるものではない。戦術とはひとつのプランであり、ひとつの理念だ。ボールが右サイドにあるときに、全員がどうするかを理解していなければならない。それこそが、監督が明確にすべきコレクティブな戦略だ」
<つづきは第3回>