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「ナイス!ナイス!」声を張り上げ…イラン戦密着動画『TeamCam』で見えた久保建英の存在感…まだまだあった“映像には残らない名場面”
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2024/02/11 17:02
アジアカップを通して、試合でも練習でも久保建英はチームの中心だった
記者が驚いた“鋭すぎる観察眼”
もちろん、存在感が大きいのは盛り上げ役だからではない。最大の理由はピッチ上でのパフォーマンスであり、敵の弱点を見抜く観察眼や分析眼、そして、味方の個性を把握する能力に秀でていることである。バーレーン戦では堂安の先制点の起点となるミドルシュートを打った毎熊晟矢のプレーについてミックスゾーンで質問され、即座に「彼は残り10分頃のところでボールタッチが91回触っていた。右で預けて安定していますよね」と答えた。
この数字は先発していた久保がベンチに下がった後の後半35分頃に会場の大型スクリーンに一瞬映し出されたもの。それを見て覚えているだけでも凄いのだが、取材陣のやりとりの中で自分からこの数字を出して毎熊を称えたことには驚かされた。イラン戦のハーフタイムの鋭い相手分析はこの“スピード脳”があるからこそ、そして、チーム内で序列を上げているからこその発言だった。
久保は今回のアジアカップで初めて自分らしさを全開にした。今後の日本代表にはピッチ内外でフルスロットルの久保建英がいるに違いない。そして、ますます目が離せない存在になっていくに違いない。