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「ナイス!ナイス!」声を張り上げ…イラン戦密着動画『TeamCam』で見えた久保建英の存在感…まだまだあった“映像には残らない名場面”
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2024/02/11 17:02
アジアカップを通して、試合でも練習でも久保建英はチームの中心だった
練習で久保から何度も「ジャスティン!」と名前を呼ばれていた本間ジャスティン(神戸)は、「僕はボール回しが下手で、基本ずっと鬼になる。久保くんがイジってくるので、イジられキャラみたいになっていて、いい感じです」とうれしそうだった。本間は「久保くんはムードメーカー。久保くんが盛り上げているし、久保くんがしゃべったらみんな笑う」と言いながら、卓越したテクニックに感服。「ボールを持った時は、ボールを隠されている感じで触れない感じがある。守備では後出しじゃんけんみたいに、自分が転がされている感じに動かされる。頭がいいんだなと思うし、サッカーIQが高いなと思う」と話していた。「こういう性格だから」と久保は言うが、次世代の前でも人一倍の存在感を見せていた。
アジアカップでは「一日1ジョーク」
バーレーン戦で自身の大会初ゴールを決めた際には、菅原由勢から「やっとかよ」と言われたことをミックスゾーンで明かしたり、「今回は(こぼれ球が)ラッキーだったので、次の試合は多少アンラッキーでも我慢しようかなと思う」と言って報道陣の笑いを誘った。
思い返すと、カタールW杯の頃までの久保は、スペイン語でのメディア対応では軽快なジョークを交えて笑いを誘う様子がしばしば見られたが、日本語での応対では語尾が「ですます調」になるためか、ジョークを交えるような飛躍はなかった。それがいつの間にか日本語でも冗談や突っ込みどころを交えることが増えていき、アジアカップでは「一日1ジョーク」くらいになっていた。
決勝トーナメント1回戦のバーレーン戦の前日は、A代表になって初めて、AFCの公式会見に登壇した。日本は今大会の会見に、日替わりで選手が登壇。グループリーグ初戦のベトナム戦の前日会見は主将のMF遠藤航、第2戦イラク戦はDF板倉滉、第3戦インドネシア戦はDF冨安健洋、そして4戦目だったバーレーン戦に久保が登壇した。森保ジャパンでの序列が上がっているのは明らかだった。
公式会見の席では森保監督に質問が集中(※選手より監督への質問が多いのは普通のこと)した後に質問を受けると、「まずは久しぶりの質問をありがとうございます。ちょっと退屈していたのでありがたいです」とここでもジョークで会場の笑いを誘った。