ガンバ大阪のジュニアユースからユースに昇格し、飛び級でトップチーム入りしたリツですが、ずっと順風満帆なサッカー人生を送ってきたわけではありません。

　小学4年生のときにセレッソ大阪アカデミーのセレクションを受け、落選しました。リツが生まれ育った兵庫県尼崎市はセレッソ大阪の前身のヤンマーディーゼルサッカー部が本拠地にしていた街で、もともとセレッソ大阪色が濃かったのです。

　子どものころにいきなり挫折を味わいましたが、リツはその悔しさを糧に、技量を磨いたのです。小学6年生から中学に上がるタイミングでは、ガンバ大阪のほか、セレッソ大阪や名古屋グランパスエイトからも勧誘がありました。

　両親によると、かつて自分を袖にしたセレッソ大阪に入る気はさらさらなく、すぐに断ったそうです。結局、自宅から通えることなどから、ガンバ大阪のジュニアユースを選んでくれました。

2015年高円宮杯U-18サッカーリーグ チャンピオンシップ　©︎Etsuo Hara/Getty Images

U-15世代で史上初の3冠

　ガンバ大阪のジュニアユースはリツが中学2年生のときに、JFAプレミアカップ、日本クラブユースサッカー選手権（U-15）大会、全日本ユース（U-15）選手権大会の3大会で優勝を飾ります。史上初となるU-15年代全国3冠を達成したのです。

　ヴィッセル神戸でプレーするリョウ（初瀬亮）ら1学年上の先輩たちに交じってプレーしたリツは、全日本ユース（U-15）選手権大会の決勝戦で2得点をマークするなど、2年生唯一の主力選手として活躍しました。そして、自身が3年生になったときには、親分肌の気質を表し、同級生や後輩たちを引っ張ったのです。

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