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25歳堂安律はなぜ「先輩にかわいがられ、後輩に頼られる」? 敏腕スカウトが知る“ヤンチャ坊主”の素顔「カタールでの選曲係もソツなく…」

posted2024/02/07 17:01

 
25歳堂安律はなぜ「先輩にかわいがられ、後輩に頼られる」? 敏腕スカウトが知る“ヤンチャ坊主”の素顔「カタールでの選曲係もソツなく…」<Number Web> photograph by JFA/AFLO

中学時代から飛び級で結果を出してきた堂安律(25歳)。愛嬌も兼ね備えた“親分肌”な気質はチームのパイプ役になっている

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二宮博

二宮博Hiroshi Ninomiya

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 アジアカップで惜しくも8強で敗退した森保ジャパン。多くの選手がうつむくなか、10番を背負った堂安律は、責任を痛感しながらも自身のSNSで「必ずやり返します」と宣言した。ピッチで見せた闘争心、リーダーシップの源流はどこにあるのか。
 1994年からガンバ大阪のスカウトとして多くの選手を発掘してきた二宮博氏の著書『一流の共通点 スカウトマンの私が見てきた成功を呼ぶ人の10の人間力』(徳間書店)から堂安のエピソードの一部を抜粋して公開する。【後編テーマ:主張力(相手に自身の意見や考えを言うことができる力)について/前編から読む】※以下、時系列や所属は全て発売日(2023年7月18日)のママ

 W杯カタール大会のスペイン戦でゴールを決めたリツ(堂安律)は、「あそこは俺のコース」との発言でも世間の注目を浴びました。

 その言葉だけを捉えると、主張力の強いエゴイスティックな選手に思われがちですが、リツは適応力や対応力、コミュニケーション能力にも優れているのです。

気遣いの堂安が担った“バスの選曲係”

 ジュニアユース時代に鴨川幸司監督とチームメートのパイプ役をしていたことは前述しましたが、カタール大会に臨んだ日本代表のなかでも、ベテランと若手の橋渡し役、調整役をしていました。本人から聞いたのですが、彼は日本代表チームが滞在先の宿舎から試合会場や練習場へ向かうバスの中でかける音楽の選曲係を任されていました。

 これが、簡単そうに見えて、なかなか難しかったのだそうです。最新のヒット曲ばかりをかけると、ベテランの選手から「そんな曲は知らない」と言われ、昔の曲すぎると、若手から「古くさい」とあきれられます。

 上手にバランスを取り、全員が納得して気持ちを1つにできる曲を選ばなければなりません。この“ミッション”をリツがそつなくこなしたことも、日本代表の相次ぐ強豪撃破の一助になったと言えるかもしれません。

【次ページ】 挫折も多かった堂安のサッカー人生

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