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令和の野球探訪BACK NUMBER
「考えられない選手は淘汰される」昨年より全体練習1時間減…《2年連続最下位》日ハムキャンプで稲葉二軍新監督が“メジャー流改革”のナゼ
posted2024/02/05 06:00
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
華やかな1軍キャンプとは異なり観客は数十人ほどだったが、日本ハムの二軍国頭キャンプは2月1日の初日から改革の機運に満ちていた。
「今日はとにかく選手の動きをしっかり見ました。練習時間で“新たな取り組み”をしましたので、とにかく様子を見ようと過ごしました」
昨年までGMを務め今季から就任した稲葉篤紀二軍監督は練習初日をそう振り返った。宮西尚生や中島卓也といったベテランから新人や育成選手の若手まで幅広いキャリアの選手たちが集っているが、その全体練習は開始から3時間半が経った13時半には終了。
昨年と比べて大きく減った全体練習
初日は歓迎セレモニーがあったため、通常より30分遅い開始だったが、基本的には「全体練習は9時半から13時まで」としており、実際に2日目も13時には全体練習を終えた。
これが稲葉監督の言う“新たな取り組み”だ。昨年までは、昼食後も全体練習が行われていたため、少なくとも1時間以上は減ったことになる。
この狙いを稲葉監督は丁寧に説明する。
「ファーム(2軍)で取り組むことは、やはり個々のレベルアップ。個人練習をしっかりやってもらおうということです。1日24時間というのは皆平等に決まっている中で、3時間半の全体練習以外の20時間半は、個人でどう使おうが構わないということですね」
これは、新庄剛志監督のもと2年連続最下位に沈むなど、低迷が続いていることへの危機感を覚える球団全体で取り組む改革の1つだ。全体練習を終えた後、選手たちは各々が課題を持ち、室内練習場やウェイトルーム、グラウンドでの特打などに向かい、帰る時間もそれぞれだ。
自主練習や個人練習が多くなってしまうと、どうしても個々の意識や能力にバラつきが出てしまう危惧はある。シーズン途中で契約を打ち切れるMLBとは異なり、NPBでは少なくとも2~3年は選手を「雇用」しなければいけない風潮がある。それだけに、そうした選手たちにまったく手をかけないことが良いわけではない。