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イラン戦スタメン予想、遠藤航は4戦フルタイム出場→中2日でも不可欠…「決勝まで全部やるつもりです!」リバプールで慣れた“過密日程の鉄人”
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYusuke Mimura/Kiichi Matsumoto
posted2024/02/03 06:00
アジア杯4試合すべてフル出場をしている遠藤航。リバプール仕込みのタフさで、イラン戦もスタメンに名を連ねるはず
〈コンディション調整の面では信頼しているし、アジアカップ本番ではフル稼働してもらうからこそ、今は心身ともに休んでくれ〉
そんな無言のメッセージが、あの試合で起用されなかった背景にはあるのではないか。その見解を遠藤にぶつけると、こう答えた。
「そのつもりでいます。もちろん今日だって、もっと早く追加点を獲って、俺を交代で下げられればベストだと監督は考えていたのかもしれません。
でも、ずっと先発であることも、この試合にフルで出たことも気にならないです。だって、ずっとリバプールで連戦をやってきたので戦い方はわかっているし、まだまだ余力はあるので!」
“身体が悲鳴を上げるのでは?”の心配無用
遠藤はここまでフィールドプレーヤーでは唯一、全試合スタメンでなおかつフル出場している。それでいて、年齢はチームで上から2番目となる30歳だ。
このまま行ったら、身体が悲鳴を上げるのではないか?
遠藤の鉄人ぶりを知らない人から心配されるかもしれない。でも、それは杞憂にすぎない。
2020-21シーズンからの3シーズン、遠藤がリーグ戦でスタメンに名を連ねなかったのは各シーズンに1試合のみ。その理由も出場停止、コロナ、脳震盪によるドクターストップ。ケガによる欠場は一度もないのだ。2021年にはドイツの専門サイト『Trasfermarkt.de』の集計で国内リーグ戦と代表戦における1年間の出場試合数で世界最多タイになったとこともある。
そして、リバプールに移籍した今シーズンも日を追うごとに出場機会を増やし、自身最多8試合に出場した12月について「人生で一番忙しい1カ月」と形容するほどのハードスケジュールだった。
それでも遠藤の身体が悲鳴を上げることはない。
ボブスレーで冬季五輪にも出場した小林竜一を個人トレーナーに迎えて肉体づくりに励んできた。加えて、シュツットガルトでもリバプールでも自宅にトレーニングルームを作り、身体を鍛える努力をしている背景がある。
最後に4週間も休んだのはいつだろう、ハハハ
そして、もう1つ。今シーズンの開幕前に、遠藤が、パワーを充電するための特別な時間を過ごしたことを忘れてはいけない。
昨シーズン終了後から遠藤が多くのメディアに出演したのを記憶している人もいるだろう。さらに沖永良部島を訪れ、一流のプレーに触れる機会の少ない離島の子たち向けのサッカー教室まで行なった。サッカー界を盛り上げるために、競技の魅力を知ってもらうために、という想いがあった。
ただ、強い想いがあるだけでは、そういう活動はできない。