核心にシュートを!BACK NUMBER
イラン戦スタメン予想、遠藤航は4戦フルタイム出場→中2日でも不可欠…「決勝まで全部やるつもりです!」リバプールで慣れた“過密日程の鉄人”
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYusuke Mimura/Kiichi Matsumoto
posted2024/02/03 06:00
アジア杯4試合すべてフル出場をしている遠藤航。リバプール仕込みのタフさで、イラン戦もスタメンに名を連ねるはず
実は、当時所属していたシュツットガルトのヘーネス監督から通常より倍のオフ期間をもらったのだ。通常であれば約2週間なのだが、今回は4週間あった。だから、様々な活動に精を出すことができたのだ。
シャルケ時代にタイトな日程を経験している内田篤人が出演するDAZNの番組に、昨シーズンのオフに出た際のこと。内田に「4週間なんて(いうオフの期間は普通)もらえないよね!?」と問われた遠藤は笑顔で答えている。
「いや、もう、久しぶりですね! 僕が最後に4週間も休んだのはいつだろう、みたいな感じで。ハハハ」
身体のメンテナンスも、愛する家族とバカンスを過ごすことで可能な心のメンテナンスも、十分に取り組めたのは言うまでもない。
プレミアとアジア杯の“強度差”に気を使いながら
現代サッカー界の鉄人といえるだけの努力を続けてきたうえで、遠藤は心身ともにパワーをためるための時間を得られた。そして世界最高のプレー強度があるプレミアリーグ、それも名門リバプールで定位置を確保している。頼もしさの秘密はそこにある。
一方、アジアカップで遠藤は“逆の意味”で気を使いながらプレーしている。
プレミアとブンデスリーガでさえ、ファールの基準は少し違う。ましてやプレミアとアジアカップではさらなる違いがある。これは長年プレミアでプレーした吉田麻也なども何度も語ってきたことだ。プレミア時の強度でプレーすると、すぐにファールと判定されたり、イエローカードをもらってしまうのがアジアの大会である。アジアの戦いに挑む際の微調整について、遠藤はこう話す。
「インテンシティについては、リバプールで試合をしているのとは明らかに違うわけです。この表現が正しいかはわからないけど、余力のようなものを残しながらプレーせざるをえないというか。やはり、イエローには気をつけながらやっている。そういう意味ではうまくコントロールしながらやれている感じです」
遠藤と言えばデュエルを重要視するブンデスの舞台で、2年連続でデュエル最多勝利数を記録したのは有名だ。それゆえに球際の強さを期待する人も多いだろう。ただ、遠藤は制限をかけることを余儀なくされている。
「球際の争いも、普段プレミアでやっているときよりも(強く)いっていないです。判定が違うので、行きづらいというか……“行きすぎない”を意識していますから」
「決勝まで全部やるつもりでいますよ!」
ただし過密日程を戦う上で、リバプールでの経験はプラスに働く面がある。今シーズン、ヨーロッパリーグ(EL)を戦っているからだ。ELは木曜日に行なわれるため、リーグ戦は基本的に日曜日に組まれる。試合間隔は2日だけ。そのリズムで今シーズン前半戦を駆け抜けてきた遠藤にとって、中2日で行われる今回のイラン戦は“いつもの感覚”でプレーできる試合なのだ。
だから、遠藤は力を抜いてこう話した。