「往路は自分たちが悪い流れになり、青学大は良い流れに乗った感じでした。復路は6区で一気に詰めないと2分38秒差は厳しいと思っていたんですけど、うまくいかなかった。帰山は自分を責めていましたけど、負けた人間は強くなると思うので、山川も圭汰もですが、今回、自分が感じたものを大事にして、それをいい方向に繋げていってほしいです。まだ、次もあるんで」

3区・佐藤と4区・山川。全日本まではトラック、駅伝で大活躍してきた　©JMPA

「油断があった」「甘かった」

　結局、駒澤大は青学大にトータルで6分35秒の差を付けられ、2位に終わった。

「1区で3冠に手が届きそうになり、自分もみんなも『行ける』と思っていました。そこで足をすくわれるじゃないですけど、油断があったと思います。さらに3人を並べたのに青学大に先行されて、まずいなという空気になってしまった。どんな相手にも自分たちのペースでいけば勝てると思ったのが甘かったと思います」

　青学大との勝負に敗れた藤田監督は、その差をスタミナにあるとみており、今後はそこの強化も進めていくという。駒澤大は、これまで世界基準をベースに、スピードとスタミナの両立に取り組んできたが、篠原は「そこは大事にしつつ」と、こう続けた。

「世界と戦うのを基準にしている以上、スピードがないと戦えない。自分が思うにスピードがある人がスタミナをつけることは可能なんですけど、スタミナ重視の人がスピードをつけられるのかというと、そこは簡単じゃないんです。スピードは生まれつきのものもありますし、長年継続してやっていかないと身に付かないものなので、自分は今のまま両立を目指しつつ、箱根に向けてはスタミナの部分を強化することで十分に戦えると思います」

語っていた「芽吹さんの傍でいろいろ学びたい」

　1月4日、2年連続3冠を逸した翌日の朝、チームは始動した。

1区から順に集合写真を撮る選手たち。敗戦から一夜明け、その顔には希望を抱かせる笑顔があった　©Shunsuke Mizukami

　新主将に篠原が選ばれ、「もう一度、3冠に挑戦していく」と断言した。主将になることは以前から意識しており、出雲を制した後、篠原はこう言っていた。

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