プロフィールを見ると「軽米中学」とある。附属の中学出身者が大半を占める中で、どんな経歴の選手なのか気になった。当時コーチに就任したばかりで、今年度から下北沢成徳を率いる伊藤崇博監督に聞くと意外な答えが返ってくる。

「内澤は、ひょっとしたらスピードスケートのトップ選手になっていたかもしれない子なんです」

　岩手県軽米町出身。幼い頃から運動能力と身体能力は高く、10歳の時には世界で活躍するトップアスリートとなり得る人材の発掘・育成を掲げる「いわてスーパーキッズ」に選出された。

　1期生にはスキージャンプの日本代表・小林陵侑がいたプロジェクトで、さまざまな競技を経験した内澤が最も適性を見出されたのがスピードスケート。競技に専念すれば、五輪も決して遠い目標ではなかったが、内澤自身が「個人スポーツで結果と向き合うことも魅力だけれど、チームで支え合って戦うバレーボールをやりたい」と小1から始めていたバレーボールを選んだ。

名門・下北沢成徳でも「俊敏性は歴代トップ」

　前任校が岩手県・盛岡誠桜高だった伊藤監督が下北沢成徳コーチ就任のタイミングで誘いを受け、内澤も上京。抜群の身体能力とレシーブ力を武器に、1年時から下北沢成徳のリベロに抜擢された。

　小川良樹・前監督時代からウェイトトレーニングを重視してきた下北沢成徳の岩崎正人トレーナーも、内澤の身体能力に舌を巻いた。

身長150センチを小柄ながら、高い運動能力を誇る下北沢成徳・内澤　©︎Yuko Tanaka

「体重に対する筋肉の出力が高いので、ピタっと止まる能力に長けています。リベロはジャンプをするポジションではないですが、俊敏性、ストップ動作からの切り返しが彼女は抜群。歴代の中でもトップといっても過言ではない選手です」

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