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「スケートで五輪を狙える身体能力」「成績もオール5」ぴょんぴょん跳ねる“元スーパーキッズ” 150cmのキャプテンが挑む最後の春高バレー 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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posted2024/01/04 17:02

「スケートで五輪を狙える身体能力」「成績もオール5」ぴょんぴょん跳ねる“元スーパーキッズ” 150cmのキャプテンが挑む最後の春高バレー<Number Web> photograph by Yuko Tanaka

2年ぶりの春高バレー出場を決めた下北沢成徳でキャプテンを務める内澤明未(3年)。今大会は5日の2回戦から登場する

 あれから1年、最後の春高バレーに内澤は主将として帰ってきた。性格は真面目で、中学時代はオール5をとるほど成績も優秀。非の打ちどころがないように見えるが、実は「周りを引っ張ったりするのは苦手」。それでも自分が1年時からコートに立ち続けてきたことや、後輩が主軸となる今季はコートに立つ唯一の3年生でもあることを加味してキャプテンになる、と決めた。

 就任後は伊藤監督も「得点は取れないポジションだけれど、得点をとらせる思い、練習中から流れを読んでかける声も素晴らしい」と称賛するキャプテンシーも発揮。内澤自身も「自分の気迫が伝われば嬉しい」と笑みを浮かべた。

 チームとしてどう戦うか。悲願の全国制覇に向けて、的確な分析も冴える。

「成徳といえば信念と根性、気持ちで相手に打ち克つ高さとパワーのバレーが武器。でも、それだけではテクニックのあるチームや、ディフェンス力の高いチームには劣ってしまう部分があるので、この1年、もっともっとバレーボールを深めよう、という伊藤先生の方針に基づいて、“力ずくで勝つバレー”から“考えて確実に勝つバレー”を意識してきた成果は出せるようになってきたと思うし、新しい発想にチャレンジできるのも楽しいです」

 とはいえ、すべてを変えるのではなく、高さを活かす場面では活かす。多くの人が描く“成徳らしさ”も健在だ。

「スパイクがなかなか決まらなかったり、崩されると焦ってしまうことが多かったんですけど、崩されても苦しい状況から打ち切れるのが成徳の良さ。戦術はもちろんですけど、根性と気迫、声も大事に、春高でも思い切り戦いたいです」

 最後は悔いなく、笑顔で。4年ぶりに全試合が有観客で行われる春高で、小さな主将が大きな声を響かせる――。

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