鎌田が浴びたそれは、今季のチームが不甲斐なかったときに“根性見せろよ！”と何度か浴びせられた不満と同じ類のものだった。

　今回の代表落選を機に、ラツィオ界隈のSNSで交わされた議論でも、鎌田を推すラツィアーレが今なお多いことに正直筆者は驚かされた。率直に述べるが、本拠地スタジアム「オリンピコ」で鎌田に対する人種差別的な侮蔑や中傷は、今のところほぼ皆無といっていい。

©Kiichi Matsumoto

「ワシはまだカマダを信じている」とは指揮官サッリ

　鎌田の戦いの舞台は、カタールのアジアカップではなく、イタリアとサウジアラビアになった。この1月をどう戦うかは、今後の鎌田のキャリアにとって真の正念場だろう。

　フロジノーネ戦後の会見で、サッリは初めて鎌田のプレー以外の難点に触れた。曰く、昨夏、同時に入団した他の選手たちと比べてチームに順応していない、と。

　その上で、サッリはこう続けた。

「ワシはまだ鎌田を信じている」

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