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「日本人はサイズを言い訳にしがちです」日本ラグビーに“外国人鬼コーチ”が帰ってきた…エディーさんが私に語った「ジャパンの問題点」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2023/12/29 11:08
2024年1月1日、ラグビー日本代表のヘッドコーチに就任するエディー・ジョーンズ氏。2015年以来、9年ぶりの登板となる
「2015年、2019年、そして2023年で日本代表はファンのみなさんに愛されるチームになったでしょうし、継承されるべき文化も生まれました。次世代に日本代表の価値を伝えられるビジョンを持った人物に、ぜひとも手伝ってほしいと思っています」
いよいよエディーさんの第二次政権が発足するわけだが、12月14日に行われた記者会見ではオーストラリア代表のヘッドコーチの在任中から日本協会と連絡を取っていたのではないかといった厳しい質問も飛んだ。エディーさんも「必ずしも歓迎ムードではなかったのは理解しています」と話す。
ヘッドコーチの選定プロセスにおいて、日本ラグビー協会は透明性を担保しようとして、かえって疑念を招き、日本国内だけではなく、世界のメディアに「疑心暗鬼」の種を蒔いてしまった。これは「負債」として協会が引き受けなければならないもので、その返済プランを練らなければならないだろう。
そうしたノイズの存在を意識しつつも、エディーさんは前進を止めない。
「雑音が出ていることは承知しています。ただし、皆さんには2024年からの日本のラグビー界を楽しみにして欲しいのです。いま、日本代表は岐路に立っています。今回のW杯では、日本は良いチームを作り上げていました。2勝がそれを証明しています。しかし、上位国に対して『脅威』とはならなかった。日本は再び、脅威にならなければなりません。そのためにはハングリー精神旺盛な人材が必要です。意欲にあふれた選手を待っています」