そんなキャリーさんは「エンドウのことは大好き。特に先発に定着してからのパフォーマンスが素晴らしい」と絶賛する。ロッドさんと同じように、やはりキャリーさんも「ハードワークが光っている」とし、遠藤の「献身性」や「運動量」、「守備力」を褒めた。

「エンドウは、中盤の守備で大きな役割を果たしている。中盤の危険な場所に顔を出しては、敵の攻撃を常に潰そうとしている。相手の隙を見逃さず、ボールを絶えず奪おうとしているんだ。その姿勢が素晴らしい。アグレッシブなサッカーを志向する、クロップ体制に相応しい選手だと思う」

　では、遠藤に足りないところはあるか。キャリーさんは「リバプールのために戦ってくれる選手に、あまり難癖をつけたくないが……」と前置きした上で、次のように言葉をつないだ。

「エンドウは、ボールを受ける際に一瞬、集中が途切れる時がある。ボールを失い、敵の反撃を受けるシーンがこれまで何度かあった。ただこうした課題も、いずれ解決してくれるだろう。集中力の問題だと思うし、チームへの適応がさらに進めば克服するはずだ」

「残念の言葉しかない…」

　ロッドさんも、キャリーさんも、遠藤の長所として真っ先に上げていたのが「ハードワーク」だった。英国のサッカーファンは、チームのために戦える選手を、誰よりも高く評価する傾向がある。その意味では、遠藤はイングランドにマッチした選手と言えるだろう。

　そして2人が残念がっていたのは、1月のアジア杯で遠藤がリバプールから離脱すること。ロッドさんは「日本代表の主将なのだから、アジア杯に参加するのは当然のこと。ただ、リバプールからすれば残念の言葉しかない」と続け、公式戦7試合連続で先発中の遠藤がチームを離れることを嘆いていた。

　しかしこうした言葉は、遠藤への高い評価と期待の裏返しである。日本代表MFは、リバプールサポーターのハートをがっちり掴みつつあるようだ。

＜前編《遠藤に直撃》編から続く＞

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