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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「エンドウを嫌いになんてなれないよ(笑)」辛口のリバプールファンがホメた…現地で聞く遠藤航30歳への“本音評価”「正直アジアカップは残念」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byKosuke Tajima
posted2023/12/27 19:38
リバプールファンのコーナー・キャリーさん。遠藤航への評価を聞くと「エンドウは大好き」との返事
「移籍してきた当初、エンドウは苦戦しているように見えた。緊張もしていたと思うし、イングランドサッカーのプレースピードについていけない場面も何度かあった。
ただ、シーズン序盤は不運も重なったと思う。デビュー戦のボーンマス戦では味方に退場者が出た後にピッチに入ったし、2戦目のニューカッスル戦も先発のチャンスをもらいながら、前半の早い時間帯で自軍に退場者が出た。数的不利に陥れば、持ち味はなかなか発揮できないものだ。シーズン開幕後の8月中旬に入団が決まり、プレシーズンマッチを消化できずにチームに合流したという難しさもあったしね。苦労は多かったはずだ」
ロッドさんは、最近の遠藤の活躍について言葉を続ける。
「すべての外国人選手にとって、イングランドサッカーへの適応は容易なことではない。他国のリーグに比べ、速さと激しさが桁外れだからだ。
それだけに、ここ数試合の活躍は目覚ましい。本当によくなってきた。何より素晴らしいのはエンドウのハードワーク。私を含めて、リバプールサポーターは身を粉にして走り回る選手が大好きなんだ。エンドウは、チームのために頑張れる選手。そんなプレーヤーを、どうして嫌いになることができよう?(笑) 彼には、手を抜いたプレーが一切ない。敵を追いかける姿勢が素晴らしい」
ロッドさんは、中盤における遠藤のポジショニングの良さ、ボール奪取力に惚れ込んでいると話す。
「首を横に振って、周囲の状況をいつも確認している。だから常に正しい位置にポジションを取れている。相手にとっては嫌な存在だろうね。
相手からボールを奪うタイミングと、ディフェンスの技術も特筆に値する。体をグッと入れて敵からボールを奪い切るシーンは爽快だよ。リバプールに相応しい選手だ」
「あえて欠点を言うとしたら…」
2人目は、アイルランド人のコーナー・キャリーさん(51歳)。少年時代はリバプールに住んでおり、8歳のときからクラブを応援しているという生粋のサポーターだ。1シーズンにつき最低5試合は、アイルランドからアンフィールドまで駆けつけているという。首位決戦となったアーセナル戦も、試合当日の早朝に息子さんとアイルランドを発ち、翌日には帰国すると説明してくれた。
リバプールと、キャリーさんの住むアイルランドの結びつきは深い。地図を確認すると、リバプールと首都ダブリンはアイリッシュ海を挟んでほぼ同緯度に位置している。
キャリーさんによると、人口の約4分の1が亡くなった1845~49年のジャガイモ飢饉の際に、多くのアイルランド人が食料と仕事を求めてリバプールに移り住んだ経緯があるという。キャリーさんは「アイルランドにはリバプールファンが多い」と話す。