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三笘薫のケガ直後に目撃した「“右足ケンケン”と松葉杖」現地記者が感じた異変…じつは4日前に三笘が語っていた「アジアカップへの本気度」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2023/12/24 17:06
12月21日のクリスタルパレス戦で左足首を負傷した三笘薫(26歳)。現地で試合を取材した記者がレポートする(写真は11月の試合で)
普段なら勝ち負けにかかわらずサポーターの元へ挨拶に向かうサムライ戦士だが、ベンチから一向に出てこない。しばらく経つと、スタッフに左肩を抱えられ、痛めた左足を地面につけないよう、右足でケンケンしながら控え室へ戻っていった。その際、テーピングを巻いて左ふくらはぎ上部をアイシングしている姿も確認できた。
試合後の取材エリアも、平時と違った。通常、試合後に囲み取材の場が設けられるが、クラブ広報から「今日はカオルの取材対応はナシでお願いしたい。申し訳ない」と、あらかじめ説明があった。その直後、三笘が左足にプロテクトブーツを着用し、さらに両手で松葉杖をついた状態で姿を現した。松葉杖で左足を地面につけないようにしながら、無言でチームバスへ乗り込んでいった。
試合後の監督会見では当然、エースの三笘について質問が飛んだ。記者に「三笘の怪我の具合は?」と問われると、ロベルト・デゼルビ監督は次のように答えた。
「我々にとって、そして彼のためにも重症でないと願いたいが、まだ分からない。数日は様子を見たい。(記者:負傷箇所は?)足首だ」
英国人記者から逆質問「ミトマのケガはどうなんだ?」
取材を終えて最寄り駅に向かうと、地元メディア『サセックス・ワールド』でクラブの番記者を務めるサム・モートン記者と列車で一緒になった。
モートン記者は三笘の松葉杖姿を撮影し、X(ツイッター)に投稿。松葉杖姿は、日本国内だけでなく世界中から注目を集めた。ポストから30分が経過したタイミングだったが、同記者は「すごい反響がある」と驚いた様子だった。
モートン記者はポストで「三笘のアジア杯出場に懸念」と記していたが、怪我に関して特別な情報を掴んでいるわけでなく、むしろ私に逆取材をしてきた。
Kaoru Mitoma left Selhurst Park on crutches after he was helped off the pitch with an ankle injury late on. Leaves question marks about his availability for the Asian Cup in January #BHAFC pic.twitter.com/xA8NqGA1ie
— Sam Morton (@s_morton27) December 21, 2023
筆者は、11月の日本代表戦の合流直後に右太もも裏の怪我が判明したこと、代表ウィーク直後のノッティンガム・フォレスト戦を欠場したこと、さらに12月17日に行われたアーセナル戦後、デゼルビ監督が「怪我から復帰して以来、カオルは最高レベルに戻っていない」と発言していたことを踏まえ、「カオルも満身創痍で戦っていたと思う」と答えた。
4日前に語っていた「アジアカップへの気持ち」
ここまで三笘は、右太もも裏の怪我から回復し、徐々にコンディションを上げてきた。4日前のアーセナル戦後には「コンディションは悪くない」と述べ、復調していると力強く語っていた。
そのアーセナル戦では、日本代表DF冨安健洋とも言葉を交わした。アーセナルでレギュラーに返り咲いた冨安だが、12月2日のウォルバーハンプトン戦で左ふくらはぎを負傷。戦線離脱となり、ブライトン戦をベンチ裏で見守っていた。