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悔しそうにユニフォームを噛む久保建英の足にテーピングが…“過密日程のち不運ドロー”の翌日「仏紙のCLソシエダ注目選手」になっていた
posted2023/12/20 17:31
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
12月17日、久保建英擁するレアル・ソシエダは、ラ・リーガ17節ホームでのレアル・ベティス戦を迎えた。この一戦を撮影するため、ラ・レアルのホームタウンであるサンセバスチャンを訪れた。
前節で1ゴール1アシストの活躍を見せた久保は、縦への突破からクロス、中へ切り込みスルーパスを狙うなど攻撃を牽引。その久保が起点となり前半のうちに2度相手ゴールを揺らすことに成功したが、際どいオフサイドでゴールは取り消されてしまった。
両チーム共に12本ずつのシュートを放ち、決定機を作りあった激しい攻防は、しかし無得点のまま終了を迎えた。
街中で〈Take〉と声をかけてきたファンの“予言”
晴天のこの日、試合前の街の中心広場には多くの人が集まり楽器隊の演奏に合わせ、両手を天に向かって広げて踊るバスク舞踊などが踊られていた。また街のバルで腹ごしらえをしていると〈Take〉と声をかけてくるサポーター達が、「今日は難しい試合になるかもしれない」――そんな予言めいたことを話してくれていた。
直近5度のベティスとの対戦でソシエダは1勝も上げることができず、そのうち4試合では得点を奪うこともできていない。そんなデータが現地で報道されていたのだ。
そして前節終了時点で、ホームチームのソシエダが6位なのに対して、アウェイチームが7位。来季CL出場権がかかる4位以内を目指す上でも、お互いに負けることのできない大事な一戦だった。
そしてソシエダにとっては、年内最後のホームゲームであり、また25年前に過激ウルトラスに殺害されたソシエダファンのサバレタさんへの追悼の試合でもあった。試合前には大横断幕が用意され、スタジアムは追悼の拍手に包まれた。地域に根付くチームとファンの団結を象徴する催しとなった。
アップ中のふくらはぎには大きなテーピングが
この日も先発メンバーに名を連ねた久保。試合中はソックスに隠されていたが、アップ中のふくらはぎには大きなテーピングを確認することができた。
ソシエダは、グループ首位通過を決めたチャンピオンズリーグ対インテル戦から中4日。ヨーロッパリーグを戦うベティスも、レンジャーズ戦に負けて落胆のグループ敗退からわずか中2日と、選手にとって過酷な日程が続いている。
この試合、ソシエダのセンターフォワードには、今季加入も長らく怪我が続いていたアンドレ・シルバが復帰した。