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大谷翔平が発言“彼が去ったら”ドジャース契約が崩れる…“天才”フリードマンとは何者?「28歳でメジャーGMに」「日本人記者に逆質問も」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/12/21 17:00
大谷翔平とアンドリュー・フリードマン編成本部長
漂う予感「ドジャース時代の到来」
フリードマン氏というのは、そういう人物だ。どんな相手にもオープンな心を持ち、柔軟に受け入れる。それらはすべて、自分の職責を全うすることへの貪欲さゆえだ。そうやってレイズという弱小球団をリーグトップにまで押し上げ、ドジャースを常勝軍団にしてきた。
大谷翔平という球界最高の選手を獲得したフリードマン氏が、次に目指すもの。それは、マイケル・ジョーダンを擁したかつてのシカゴ・ブルズのように「王朝」と呼ばれるほどの黄金期を作ることではないだろうか。
MLBの球団は戦力均衡を目的としたぜいたく税制度が導入されてから、高額な契約金のスーパースターを抱えると総年俸が圧迫されて補強にかける予算がなくなり、強いチームを作ることが難しくなった。ワールドシリーズを連覇したのは1998年から3連覇したヤンキースが最後で、今世紀に入ってから連覇を果たした球団も1つもない。
だが大谷が契約金の97%を後払いにすることで、ドジャースは戦力補強に余裕ができた。ただ純粋に「勝ちたい」という強い思いから始まったドジャース大谷誕生は、歴史に彩られた名門球団にとって新たな王朝への序章となる可能性を秘めている。それはフリードマン氏にかかっており、大谷と代理人のバレロ氏が賭けたのが、その手腕だった。