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大谷翔平の後払い契約に賛否“本当の理由”「思いやりの提案が…」「ジャッジの14年契約は認められず」代理人バレロが米メディアに語った“内幕”

posted2023/12/13 17:01

 
大谷翔平の後払い契約に賛否“本当の理由”「思いやりの提案が…」「ジャッジの14年契約は認められず」代理人バレロが米メディアに語った“内幕”<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平の移籍劇を振り返る。写真は2021年オールスター時(左がドジャースのロバーツ監督)

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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Getty Images

 大谷翔平が世界のスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル、日本円にして1015億円の巨額契約をドジャースと結び世間の注目を浴びた2日後、さらに驚かせる事実が明らかになった。

 10年間の年俸はそれぞれわずか200万ドル(約3億円)。総額の97%に当たる残りの6億8000万ドルを後払いにするという。しかも無利子で、契約終了翌年の2034年から2043年まで1年につき6800万ドルずつ10年間で分割し支払われる。

「97%後払い」米メディアはどう報じたか?

 この事実に、アメリカのメディアもファンも衝撃を受けた。大手メディアの論調はこうだ。

「悪魔は細部に宿る:巨額の後払いがショウヘイ・オオタニ大型契約の鍵だった」(米経済誌フォーブス電子版/記事の見出し)
「ショッキングな契約内容が明らかになった。10年総額7億ドルという巨額の契約は、予想を超えたクレイジーな後払い形式だった」(ニューヨーク・ポスト電子版/記事の見出し)
「極めて異例の契約金構成。ドジャースにとってこの契約はお得のバーゲンかと思ったら、それをはるかに超える盗人レベル」(ロサンゼルス・タイムズ電子版/文中の一部引用)

「ぜいたく税」とは? 「後払い」はなぜ?

 97%もの後払い契約によって、球団は総年俸を大幅に軽減することが可能になり、さらなる戦力補強を進める余裕が生まれたことになる。これにはMLBのぜいたく税制度が影響しており、球団はチームの総年俸を規定額まで収められなかった場合「ぜいたく税」が科せられ、オーバー額が大きくなった場合や2年3年と連続してオーバーした場合は税額の割合が増すようになっている。MLBでもトップクラスの資金力を持つドジャースは2013年から5年連続と2021年から2年連続でぜいたく税の課税対象になっており、今季も課税対象になると見込まれている。

 このぜいたく税制度は選手の契約金の年平均額で計算され、大谷の金額は本来なら7000万ドルになる。だが複数の米メディアによると、後払い分はお金の現在価値を元に計算される(物価上昇の影響で貨幣価値が10年後に下がる)ため、大谷の年平均額は4600万ドルになる見込みだという。ドジャースはこれで、ぜいたく税制度にかかわるコストカットを可能にし、その分を大谷以外の戦力補強に回せるというわけだ。2033年までの大谷の年俸は200万ドルだが、スポンサー契約だけで来季は5000万ドルになるといわれており、年俸が少なくても個人の収入ではメジャートップだ。

【次ページ】 米ファンの声「ジャッジは認められなかったのに…」

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